【インタビュー】新卒1年目で会社辞めてからのベビーシッターで独立。社会人まだ2年目だけど理想の働き方を手に入れました!

松岡さん(仮名)へのインタビューは今回で2回目。前回は「新卒/辞めた」というキーワードから多くの読者の読まれた記事でもあります。「今の会社がつらい」と感じている人、「型にハマった働き方はちょっと…」と躊躇している人、「自分らしく働きたい!」と思っている人、松岡さんが選んだ会社に頼らない自分サイズの働き方、参考になるかもしれません。

前回までのお話

決して楽ではなかった就活を終え、華の社会人生活だと思ったら、配属先で同性の先輩が立て続けに去ってゆき…。松岡さんは歳の離れた男性上司3人に一人で立ち向かうもあえなく撃沈。人事からの助け舟に乗って部署異動したのはいいけれど、今度は細かすぎる指導により鬱々とする日々が続く…。結局松岡さんは入社した年の12月に退職することになります。失意の底で自分と向き合いたどり着いたのはベビーシッターという仕事。今度は会社に所属せずベビーシッターの仕事で個人事業主として再出発することになりました。

⇒⇒⇒前回の記事はコチラ(前編後編

 

あれから約1年。社会人2年目に突入した松岡さんから、ベビーシッターとしてバリバリ働いているとのご報告が―。

個人事業主ってどんな?親や周りから反対された?実際生活はできてるの? 気になるあれこれを聞いてみました。

とりあえず稼げるようになりました!

オデン:前回はまだ収入が安定せず貯金を切り崩しながら生活しているとのことでしたが、現在の生活はどうですか?

松岡さん:今は定期のお客さんもいて、割と安定しています!平日はほぼ毎日、午前10時くらいから夕方6時くらいまで働いています。

オデン:ほぼフルタイム!土日はお休みですか?

松岡さん:土日は働かないと決めていて、定期のお客さんに急用などあった場合は別ですが、基本的に休みです。

オデン:ズバリ聞いちゃいます。前回目標は月15万円とおっしゃっていましたが、そのあたりはどうですか?

松岡さん:ありがたいことに、もう超えています(笑) できたらもっと欲しいなと思いますけど、今はまあ満足です。当初思い描いていたこの仕事の働き方を考えると、だいたいのことは叶えられている感じです。

オデン:その思い描いていたものって?

松岡さん:私の場合、週5日朝から夜までみっちり働くっていうのが厳しかったので、自分の働ける無理のない範囲で、好きなことを仕事にできたらって!お金に関してはもっと頑張って時間を増やしてもいいのかなと思うこともありますが。

レビュー命でやってます(笑)

オデン:スケジュール管理は会社を通されているんですか?

松岡さん:スケジュール管理もやってくれる会社はありますが、私はベビーシッターのマッチングシステムを使って、基本的に全部自分で管理してます。

オデン:ある意味自分の好きな時間だけ働けるってことですよね?

松岡さん:自分で調整できますけど、このくらい欲しいと思っても依頼が入らないとどうしょうもないので…

オデン:それはそうですね…

松岡さん:単発のお客さんだけだとなかなか厳しいので、定期のお客さんを優先しています。

オデン:依頼はどうやってくるんですか?

松岡さん:専用のアプリから登録しているベビーシッターのプロフィールページが見られます。親御さんはそれを見て依頼してきます。なので紹介文のところを充実させたり、あと大事なのはお客さん(利用者)からのレビューです。

オデン:なるほど~。って、レビューめっちゃいいじゃないですか。

松岡さん:おかげさまで(笑)

オデン:何か秘策が…?

松岡さん:お仕事が終わったら毎回レポートをお渡しすることになっているんですが、一番最初に仕事したお客さんから、このレポートが他のベビーシッターと差をつける武器だと教えてもらって。だからこの量読むかってくらい詳しく書いて渡してます。

オデン:プロフィール欄もけっこう書かれていますね。

松岡さん:自分の見せ方、個性の見せ方が大事だなって思います。私ディズニーが大好きで、そのことも書いたらディズニー好きから予約が入るようになりました! 娘がディズニー好きだからって。

オデン:共通項があると、依頼もしやすくなるんですね。

松岡さん:そうですね。

オデン:単価の設定もご自身でやられるんですね?

松岡さん:はい。私は、みんなが届きやすい値段も考慮して、時給1500円でやっています。早朝やお泊り保育の場合は割増料金をもらっています。

オデン:値段設定が難しそうです。

松岡さん:設定金額によって高いと思う方もいれば、それが安心材料になる人もいるし…。今まで特にクレームもなく、リピーターがいるってことはその値段で見合っているという結果だと思っています。

オデン:高いのが安心材料っていうのは面白い。

松岡さん:あとオプション設定もできます。ただシッターするだけでなく、ちょっとしたピアノやサックスのレッスンもしています。どうせ預けるならと、結構ご予約をいただくんです。

オデン:いいですね!

松岡さん:あと私カメラも好きで、お子さんの写真を撮ってデータをあげたり、とても喜ばれますね。

オデン:それはうれしいかも。

松岡さん:今までやらせてもらったことが役にたって、自信につながっています。


お仕事中の風景 出典:「株式会社キッズライン」HP

オデン:個性が活かされ、お客さんもつき、すばらしい~! 最初から順調でしたか?

松岡さん:始めたばかりのころは、マナーのない方も結構多くて…。専用のアプリは回数(実績)が見れるので、新人ほどなめられやすいところがあって。

オデン:たとえばどんな?

松岡さん:子ども一人をみる約束なのに途中で上の子が帰ってきちゃうとか、時間になっても親御さんが帰ってこないとか、最初はどうしようと迷ったりしましたが、経験がついてきて、値段を上げたり、条件をつけたりするようになって解消できました。

オデン:場数って大事なんですね。

マジメだから、読書して考えた。

オデン:傍から見ると松岡さんにとってベビーシッターは天職のように思います。ベビーシッターにはどうたどり着いたんですか?

松岡さん:前職をやめてとりあえず働かなきゃと思って。こう見えてけっこう真面目で、ものすごい心配性なんです。

オデン:はい。真面目さ伝わってきますよ。

松岡さん:自分のくそ真面目なところ、すごい嫌なところなんです!友達にはそれが長所って言ってもらえるけど、自分の中では短所で、だからこそ見た目は入りやすくしたいと思って(笑)


オデン:(笑)親しみやすい見た目を演出されているってことですか?

松岡さん:キャラはなるべく気軽に接することができる方がいいなと。

オデン:そこがまた真面目! で、話を戻すと、働かないとって焦りがあった?

松岡さん:毎日悩んで眠れなくって。友達に会えば辞めれたーって明るく話すけど、ひとりになるとこれからどうしようって。それでめちゃめちゃ本を読むようになって。

オデン:どんな本ですか?

松岡さん:自己啓発系が一番多くて、あとはビジネス本とかも。まずは自分がどうしたいのかわからないとだめだなと思って、気になるものを全部読み漁りました。

オデン:本からヒントを?

松岡さん:選んだ本をふと見たら、好きなことを仕事にしていくっていうタイトルばかりで。じゃあ好きなことってなんだってシンプルなところから始まって、ノートに書きだしたりしました。

オデン:やはり書き出すって大事なんですね。

松岡さん:やりがいを感じられる好きなことって何だろうって。前職で、電子マネーの部署にいたときは、これは高齢者を楽にするなと思ってやりがいを感じていたなとか。だれかの話を聞いているときとか、子供や困っている人を助けることとか…、それで子供に行き着いて。そんな話を母親にしていたら、「あんたベビーシッターいいんじゃない」って。

オデン:母親の直感ですかね。

松岡さん:母親が、私が子供のときに、えらい若いお母さんだなと思って話かけた人がベビーシッターで、すごく楽しそうにしていたらしくて。その時のこと思い出したみたいで、あんたに合いそうだって言われて。

オデン:母は偉大…

松岡さん:その翌週にはWEBで探した会社にベビーシッターの登録に行っていました!

オデン:行動が早い!!

好きなことを仕事に。周りの反応は?

オデン:新卒で入った会社の退職、それからベビーシッターとしてのスタート。周りの反応はどうでしたか?

松岡さん:うちは父が頑固おやじで…、父親の言うことには絶対服従で、家ではけっこういい子ちゃんでやってきました。新卒で入った会社(前職)はベンチャー企業で、反対されるだろうと思ったんで就活のときは全く会話しなかったですね。しかもそこを辞めるってなって、なに言われるかな~って。

オデン:前職を辞めるときもお父様には言わずに?

松岡さん:いえ、耐えられなくなって、私ふだん人前で泣かなかったんですが初めて家で泣いてしまって。さすがの父親もどうしたって感じで。それこそそれまでは自殺する人の気持ちなんて全くわからなかったですが、ホームにいるとき飛び込む人の気持ちが想像できてしまって、その話も、父親はショックだったらしく…。そんな無理しなくてもいいって言ってくれて、もう頑張る必要ないかって思えたんです。

オデン:お父様との距離が縮まったんですね!

松岡さん:・・・。いえ、辞めるまでは味方でいてくれたのに、辞めたあと次何するんだって。母親は好きなことしなって言ってくれたけど、父親はそう考えられない人で次の就職先どうするのって。あ、この人まだ追い詰めるんだって思って、勝手にベビーシッターの登録会に行った感じですね。

オデン:和解はそう簡単ではないんですね。

松岡さん:しばらくしゃべらない期間があったので、父親は気になって母親に聞いていましたね。しかもベビーシッターの話を聞いて、勝手に次決まるまでのつなぎだと思っていたみたいで。今もお酒飲みながら文句を言ってきます。ほんと堅物で…

オデン:松岡さんの真面目さはお父様から引き継いだのかもですね(笑)

松岡さん:仲はいいし、ベビーシッターの話をすると面白がるし、だんだん認めてくれるようにはなってきたところもあります。ただ、私ひとりっ子なので、将来どうするんだって、心配でしょうがないみたいで…

これから先の話。「結婚や出産もぼんやりとは…」

松岡さん:父親はちゃんとした正社員、ボーナスあって有給もあってっていうのになってほしいと思っているみたいですね。

オデン:それに対してはどう考えていますか?

松岡さん:正社員の友達の話をきくとやっぱり貯金があるのは大事だし、今もまったくないわけではないけど、他に比べると全然ないなって。この先結婚できなかったらどうなるんだろうなって思うけど。そんなこと心配して、今せっかく気持ちが安定していて楽しいって思えているから、それを手放すのもどうかなって。

オデン:前回のインタビューでは、保育士の話もありました。

松岡さん:私に子供が生まれたとき、安定した職場があって、時間も決まっていた方がいいのか?って思うと、資格をとっておくのもいいのかなとも思うんですけど…。でも別に必要ないかーとも思うし…

オデン:そこまでの必要性は感じてないってことですね。

松岡さん:でも知人に、ベビーシッターって資格いるの?ってきかれたことがあって、ベビーシッターは民間の資格はありますが、持ってなくてもできるんですね。その時、資格なくてもできるんだ~って言われたのがなんか癪にさわって(笑)

オデン:だからとってやろうと?

松岡さん:それは自分が負い目に感じているってことだから、そしたら資格とるのはありかなと。それが第二のステップになるかも……。でも今は、自分がベビーシッターですって胸を張って言えるようになってきたので、次を考えるのはこれからです。

オデン:最後に、この仕事に対するモチベーションって何ですか?

松岡さん:もちろん、欲しかったもの買えた~とか旅行行ける~とかはモチベーションになりますが、親御さんにあなたにお願いして良かったと言ってもらえることですね。わざわざお礼の連絡をいただいたり、旅行のお土産を送ってくれる方もいて、そこまでしてくださる気持ちがうれしいです。

今定期でおじゃましているご家族は外国の方なので特殊かもしれませんが、お父様は君がいてくれてよかったーって涙流してくれます。あと、事務的な相談をしていると、だんだん子供やお父様自身の相談がきて、そういうシッター以上のことがくるのはやりがいですね。

オデン:だいぶ頼られているようですね!

まとめ

今回のインタビューは、個人事業主は会社勤めウン十年のベテラン社員だけが選択する道だと思っていた私の凝り固まったアタマをほぐしてくれました。松岡さんはネオ・デジタル世代らしく、自分を表現することに長けており、営業いらずの新たなスタイルだと感じました。

ちょっと前にお笑い芸人のEXIT兼近さんがベビーシッターの登録をして話題に上がっていたようです。女性比率の高い職業ですが、今後その比率に変化が起きるかもですね。

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書いた人:しごとの道しるべ 編集部員 オデン

新卒で入った会社は、先生と呼ばれる親より年上の所長とふたりきりの職場でした。入社後すぐの挨拶まわり、スーツを着た人がみな同じに見えて、同じ方に2度自己紹介をするという失態が忘れられません。現在は、育児と仕事の両立に格闘中。

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