文系のための『IT業界入門』 【前編】業界研究編

みなさん、こんにちは。

…特に、

「デスクワーク」「手に職」「テレワーク」「稼げる仕事」などに関心がある。
故に「IT業界」を就職先として視野に入れている。
文系だけど、「最近は未経験でもIT企業に就職できる」と聞くし、いけるんじゃないかと思っている。

という文系の皆さん!そう!あなたです!こんにちはー!!しごとの道しるべ編集部シンドウです!
のっけからハイテンションで失礼します。

わかります、皆さんのそのお気持ち。かく言う私も、実は同じような気持ちで一度IT企業の採用試験に応募し、面接で「業界のことは何もわからないけど、根性で頑張ります!」と言い放ち、人事の方に「君、いいねー!」と言われながら不採用だったことがあります。

あれ、何だったんだろう。

 

 

そんなことはさておき、私たちIT業界を目指す文系ピーポーが、いざ企業研究となったとき、もっとも困ること、それは、

IT企業、めちゃくちゃ多い問題

 

一説によれば、日本にあるIT企業の数は約600万社。全て調べていたらキリがありません。

そこで、今回はIT業界にめちゃくちゃ詳しい、「株式会社ディマージシェア」の川目さんにお越しいただき、IT業界を分類していただいたうえで、「○○な人はここが向いている」というインデックスをお教えいただきました

迷宮たるIT業界について、効率よく情報収集するための、一つの参考にしていただければ幸いです。

 

目次

【前編】

1.【そもそも】「IT業界は人材不足」は本当?
2.IT業界、どんな企業がありますか?

【後編】(こちらからご覧いただけます)

3.「○○な人」別、おすすめIT企業
4.「IT業界に行きたい」「でも何がしたいかわからない人」へのおすすめは?

 

【そもそも】「IT業界は人材不足」は本当?

シンドウ:ということで、本日は、ということで、元ITコンサル、現IT企業の人事をされている、「株式会社ディマージシェア」の川目さんをお呼びしました。
川目さん、よろしくお願いします。

川目さん:よろしくお願いします。

IT業界 文系可

こんな方。

 

シンドウ:本題に入る前に、1つ確認なのですが、現在巷で噂されている、「IT業界は人手不足」というのは本当なんでしょうか

川目さん本当です

ITの業界はここ20年ほどに急速に発達し、現在でもAIの発達、デジタル化によりすさまじいスピードで変化している業界です。業界があまりに急速に発達するため、そこに対応できる人材の育成が追い付いていないんです。

加えて、もともとITの担当領域ではなかった、金融や農業などをはじめとする多領域で、現在IT化が進んでいることもあって、IT業界は、実力のある中堅のみならず、初級クラスのエンジニアも含め、すべからく不足しているのが現状ですね。

シンドウ:なるほど。つまり、文系でも、「採用枠は、ある」

川目さん大いにあります

 

IT業界 転職

 

川目さん:…

シンドウ:…が?

川目さん:一つ気を付けてほしいのは、エンジニアが『転職』する際の内定率は、現在1%以下ということです。

シンドウ:と、いうと?

川目さん:IT業界ではスキルアップや昇給のために、転職を希望する方が多くいますが、転職しようと思っても、希望の企業に採用してもらえない人が非常に多いということです。

IT企業は中途人材を採用する際、基本的にはスキル採用です。でも、企業が期待するほどのスキルを身に着けている人が、現状ほとんどいない。

日本では年功序列の給与形態がまだ広く採用されていますから、中途で採用した人には高い給料を払わないといけない。それなのに企業のほしいスキルを持っていない、大したマネジメント力もない、となると、「じゃ、新卒育てた方が早いね」「ベトナムの子の方が技術力高いし、英語も話せるしいいね」となり、結果採用に至らないケースが多くあるんです。

シンドウ:つまり、「文系でもIT企業に採用はしてもらえる、でも、ちゃんと努力しないと、キャリアアップは相当に厳しい」ということですか?

川目さん:そうです。

シンドウ:となると、IT業界を志望する人は、「割とちゃんと、継続して勉強できる人」じゃないと厳しいということでしょうか。

川目さん:そうですね。

シンドウ:ひー、聞いておいてよかったです。文系か理系かよりも、大きな壁があるんですね…。

IT業界、どんな企業がありますか?

シンドウ:さて、本題の「IT業界、全然わからない」問題なのですが、IT業界の構成や企業の分類について、順を追って解説していただくことはできますか。

川目さん:わかりました。それでは、ちょっと失礼して、会話文なのに適宜タイトルを入れながら説明させていただきます。

IT業界 未経験

※注

以下の解説は、IT業界を目指す文系に、業界をおおまかに把握していただくための分類として、わかりやすさを重視しています。正確な定義から揺れる部分に関しては、何卒ご了承ください。

分類1:「IT業界」の4領域

まず、IT業界は大きく分けて4つの領域があります。

IT業界とは

①のハードウェアは、実際に機械をカチャカチャする分野になるので、文系の皆さんは基本的に、②~④のどこかに就職することとなります。

その中でも、私たちが普段目にするwebサイトや、通販サービス、SNSの運営を担当しているのが「ITサービス」と言われる領域の企業。

一方、銀行の金融システムや、小売店の顧客管理システムなど、普段私たちが見ることのない、企業向けのサービスを提供しているのが、「ソフトウェア」、「情報処理」の領域の企業です。

まずはこの大枠を理解していただけると良いと思います。

 

分類2:「ソフトウェア/情報処理」の3分類

実は「ソフトウェア」と、「情報処理」の区別は難しく、ざっくり言えば、

パッケージ化された、ダウンロードすれば動くような「ソフト」や「アプリ」を作っているのが「ソフトウェア」
企業ごとに異なる、個別の情報システムの設計・運用などをしているのが「情報処理」です。

が、その両方を行っている企業もたくさんあります。

ですからここでは、その区別をいったん無視し、企業向けのサービスを提供しているIT企業群を、さらに次のような3つに分類することにします。

IT業界 分野

企業が「ITによって課題解決をしたい」となったとき、「じゃあどんなシステムを作るか」「どういったスケジュールで解決していくか」という、大元の計画を考えるのが、「ITコンサル」です。

この業界に就職した場合、主な業務は、企業からのヒアリング、進行管理、プロジェクトのマネジメントであり、プログラミングはあまり行いません。

一方、皆さんが「IT」と言われて想像するような、バリバリとプログラミングをこなしていくような業務を担当しているのは、「SES/派遣主体」と言われる領域の企業です。

「SES」は、システムエンジニアリングサービスの略で、「こういうシステムをつくるために、こういうスキルを持った人が何人ほしい」という要請のもと、エンジニアを現場に派遣し、スキルを提供する、人材屋さんと考えてもらえればよいかと思います。

そしてITコンサルと、SESの中間に位置するような企業群が、「SIer」(読み:エスアイアー、SIとはシステムインテグレーターの略)と呼ばれるものです。

SIerは、ITコンサルや企業が考えた事業構想を、具体化・実行するための業務――具体的には、特定のシステムの設計、開発、運用、ハードウェアの選定等――をすべて請け負います
ですから、SIerに就職した場合は、お客様と企画会議をすることもあれば、システムの開発のため、プログラミング業務を担当することもあります。

SIerの業務内容は幅が広く、説明しきれない部分もあるので、SIerに関しては、企業の性質に注目し、さらに以下の4つに分類して把握していただければと思います。

 

分類3:SIerの4系列

SIerと呼ばれる企業群は、その属性によって、上記の4つに分けられます。

SIerとは

説明は表にも付してありますが、「外資系」は、その名の通り海外の資本によって設立された会社で、国と国をまたぐ通信システムの開発を手掛けるなど、とにかく案件がグローバルなことが特徴です。

「ユーザー系」は、IT以外の事業を行っている大手企業の、情報システム部門を、子会社として独立させて設立した企業を指します。「~テック」といった名前がついていることが多く、親会社の運営のサポートを行います。

「メーカー系」は、大手コンピューターメーカーの系列企業を指します。親会社から回ってきた案件を担当するため、比較的大きな仕事を担当することもあります。

そして「独立系」は、「ユーザー系」「メーカー系」と異なり、そういった親会社を持たず、独自の営業活動で展開している企業のことになります。受託開発から、自社製品の開発まで、広い分野の案件があることが特徴です。

 

IT業界 業界研究

 

川目さん:…以上、大まかな分類ではありますが、まとめると、こんな感じになります。

IT企業分類表

 

川目さん:いかがでしょう。何となく、IT業界にはどんな企業があるのかは、ご理解いただけたでしょうか。

シンドウ:聞きなれない単語が多くて、少し難しいですが、なんとなく、「こういった企業群があるんだな」ということはわかってきました!

川目さん:「SIer」「独立系」などの単語は特に、就職ナビの企業紹介ページで普通に使われるので、各企業群の大体のイメージだけでもつかんでおくと、その会社で行う業務内容が想像しやすいかもしれません

さて、おおよその分類が把握できたところで、本題の、「じゃあ結局、どこに行けばいいか」について、話を進めていきましょう。

シンドウ:楽しみになってきました…!お願いします!

 

【後編】はこちら

 

 

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書いた人:しごとの道しるべ 編集部
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