【インタビュー】夢中になる仕事は意外にも身近にあった!愛される若き2代目社長《後編》

<前回までのお話>
大学卒業後、システムエンジニアとして就職されるも1ヶ月半で会社を退職した金澤さん。営業として、家業を手伝い始めるも初めはうまく行かず、契約が取れなかったのが、自社製品の魅力に気が付いた事で営業魂に火が着き大躍進!その後、店舗を開くまでの展開を伺いました。(前編中編をご覧ください)

今回は、今後の会社の目指すところと、日本製の品物へのこだわり、そして就職活動をする方々に伝えたいことについて伺いました。

今後の会社の方針と大志について

古庄:今後、Humming birdが目指すのはどんなところでしょうか?

金澤さん:まずは、関東を中心に10店舗ほどの経営を目指したいですね。地方は卸売の方々が売ってくださっていますので、関東を中心により多くの方に知っていただきたいと考えています。

古庄:そうですか!Humming birdは国産、職人さんの手作りに強いこだわりがあるそうですが…。

金澤さん:はい!これからも国産にこだわり続けます。Made in Japanは、すごく価値があるんです。まず第一に安全性が高い、そして質が良いことに限ります。

古庄:Made in Japanの製品の持つ安全性と質ですね?もう少し、詳しく教えていただけますか?

金澤さん:当店の品物は全て、素材の産地から、どこの工場で誰がどんな工程を経て作ったものか全て把握しています。具体的には、親父が商品の企画をする→糸を選ぶ→工場で編む→ロッソを行う(1枚だった生地をつなげて筒状にする)→セットをする(蒸気を当てて筒状から靴下の形にする)→検品といった工程の全てを把握しています。

糸を選ぶときの見本

金澤さん:そもそも輸入品の衣類が、どんな場所で、どんな工程を経て作られているか知っている人は、その販売会社の中でもごくわずかだと思います。また、衣類を輸入する際、害虫などの外来種を国内に持ち込まないために、強力な薬品を吹きかけて害虫の駆除を行います。以前、当店でも中国製の製品を取り扱うことがあったんですが、スタッフの1人がその薬剤によってアレルギーを起こしたことがありました。それ以来、日本国内の工場で生産するように方針を変えました。

古庄:ではMade in Japan の持つ質の良さとは何でしょうか?

金澤さん:日本は世界からも、“安全、安心の国”とよく言われますよね。日本人は当たり前にルールを守る。規律正しい人が多いです。ものづくりに関しても同じように手順正しく行います。そして、日本人は几帳面な人種です。職人さんも、ものづくりに対して妥協せずに、常に100点の商品を作ることを求めます。海外製品では作れない逸品を、日本の職人さんは作りあげます。これが、世界からMade in Japanが評価される理由だと僕は考えます。今は、ファストファッションが主流。安価で便利な輸入品は、今の日本に欠かせない流通ですから、否定する気はありません。ただ、Made in Japanの良い素材、着心地、仕立てのものにお金を払って、長く大切に着るということがスタンダードな価値観が広まれば良いと思います。

古庄:今の日本の繊維業界、紡績業界の推移を見ても右肩下がりですし、日本の職人さんの間でも「人手不足、若い人が育たない」と言われ続けていますよね。これらについて不安はありませんか?

金澤さん:僕には、大志があります。1つは、世界的に『Made in JapanといえばHumming Bird』と呼ばれるようになりたいです。有名な高級ブランドのように(笑)そして、日本の工場の環境を変えたいです。簡単に言えば僕が全ての日本の工場を回す事ができれば良いかなぁと(笑)。今の工場のイメージって、何となく近寄りがたいというか…。例えば、工場の内装、外装を変えるだけでイメージは変わります。また、既存の凝り固まった慣習を変え、能力のある若者が、一流の技術を身につけることができるような場所にしたいです。

古庄:すごく大きな志ですね!お聞かせくださり、ありがとうございます。

就活生に対して言いたいことは?

古庄:今までの経験を通して、今就職活動をしている方々にどんなことをアドバイスしたいですか?

金澤さん:たくさんありますね。
僕は常に、成し遂げたいこと、自分のやりたいことに対して妥協せずに、『全てを手にいれる』というモチベーションを持っています。誰かに対して羨ましいと思うことはないです。忙しい時も、重い責任を伴う時も、自分に対して『この仕事は楽しいか?』と常に問いかけ、そのためには努力を惜しみません。
実は、大学のAO入試で面接官の方に「あなたには魅力が見つかりません」と言われて落とされたことがあります(笑)。そのとき『この面接官は見る目がないなぁ』と心から思いました。もし就職活動中に面接試験で落ちたとしても、見る目がないなぁと思うくらいの自信を持っていて良いと思います(笑)。
また落ちた時には、それには理由があって、他にもっと挑戦するチャンスができた!ラッキー!と僕なら考えますね(笑)。
就職活動に直面したときに、やりたいことがなくて悩んでいる方は、ただ経験が少ないだけだと思います。そこで何かないかと見つける努力や行動をすることで、何がしたいか見えてくるのではないでしょうか?

古庄:貴重なご意見ありがとうございました。


想像以上の志に思わずインタビュアーの私も声が出てしまいました。お会いすれば誰もが心許したくなる明るさと絶妙なキャラクター性から、軽く発言をしているように見えても、話を聞くうちに実は根深い芯があって考えて発言、行動していらっしゃる様子でした。また、商品の話をしているときや接客をしているときには、インタビューの時とは雰囲気が変わり強い表情になるのが印象的でした。

ひたむきに良いものを作ることに心血を注ぐ、現社長のお父さんと根からの営業人気質の金澤さんのコンビネーションが最近のHumming Birdの発展に現れていると感じました。

金澤さんが代表を務めるHumming Birdの商品は一つ一つの商品に強いこだわりと想いを感じる、思わず試してみたくなるものばかりでした。興味のある方はぜひ、覗いて見てはいかがでしょうか。

今回は、本当にご多忙のところインタビューに応じていただきありがとうございました。

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