新卒、辞めた。早期離職からのリベンジ就活!【就職に有利な資格は ズバリ◯◯◯!】
2020年04月01日
<前回までのお話>
自主的にシステムの勉強をしたことで、文系学部からシステムエンジニアとして就職されるも1ヶ月半で会社を退職した金澤さん。そこから、次の職が決まるまでの繋ぎとして家業を手伝い始めましたが、知識ゼロのまま飛び込み営業をして契約が1件も取れない日々でした。(前編をご覧ください)
今回は、そんな状態から何があって2代目社長となり、新しく実店舗の経営を始めるまでに至った経緯を伺いました。
古庄:飛び込み営業をしても思うように契約が取れない時から、どんなきっかけがあって変わったんですか?
金澤さん:実際に自社の製品の魅力を体感したことですね。
ジメジメした土砂降りの梅雨の日に、工場で検品作業をしていました。その時に、親父から「この靴下良いから履いてみろ」と商品の1つであるリネン(麻)の靴下を渡されました。この靴下、見た目がヘロヘロなのに1足1,300円します。「え?この靴下に1,300円?売れるわけがないよ!」と思わず言ってしまい、親父に頭を叩かれました。「黙って履いてみろ!」と。結局、その靴下を履いて検品の作業をすることになりました。
例のリネン靴下 確かにヘロヘロなそうな…
古庄:それで、どうだったんですか?
金澤さん:リネンの靴下の第一印象は、硬い、痛い、切れそうでした。でも数時間ほど履いているうちに、全く蒸れておらず、風が通ると涼しささえ感じることに気づきました。シャリシャリとした麻の生地特有の感覚にも、気持ち良さを覚えました。まさか、親父がこんなに素晴らしい商品を製造し、販売しているとは知りませんでした。
古庄:そこから仕事との向き合い方が変わったということでしょうか?
金澤さん:はい。“僕がこんなに感動したのだからこの靴下は絶対に売れる!”と強く思いました。目が覚めたような気持ちでした。そこで初めて、親父がどう営業しているのか興味が湧いて、親父の営業に同行させてもらいました。
古庄:営業の仕方を知りたくて?
金澤さん:そうですね。同行して初めて、親父の凄さを知ったんです。
初めは、ただ営業の仕方を見ようという気持ちだったはずが、気がついたら、僕自身が親父の話に前のめりになって聞いていたんです。“買う気がなくても、この営業をされたら思わず買ってしまうな”と思うような営業だったんですね。話を聞き終わって、“僕も欲しい!”と思いました(笑)。
古庄:へえ!その経験は役に立ちましたか?
金澤さん:2回ほど親父の営業に同行し、その後に1人で営業に行ったんですよ。そしたら、初めて契約が取れちゃったんですね(笑)。それが楽しくて、もっと売りたいという気持ちが強くなり、製品の猛勉強を始めました。
古庄:具体的にどんなことを勉強したんですか?
金澤さん:商品のこと全てです。お客様に質問された時に、答えられないことをゼロにしたいと思ったんです。素材の特性や、糸の作られ方、靴下の作られ方に至っては工場まで足を運び、実際に目で見て、職人さんに聞いて理解するようにしました。
古庄:すごいですね。まさにスイッチが入った状態で、靴下への情熱が日に日に増していったのを感じます。
金澤さん:始めて3ヶ月くらい経ち、営業に行って契約が取れる機会が増えた頃、突然、親父から「全国に飛び込み営業に行け!」と言われたんです(笑)。
二つ返事をして、そのまま約2年間、車中泊をし続けて全国を回っていました。行ったことのない県はありません!
古庄:2年間も、車中泊?!ちなみに車種は(笑)?
金澤さん:プリウスです。普通のプリウス(笑)。毎日、次は〇〇県の△△さんに営業に行こうと決めて、銭湯に行って道の駅に行って寝る生活でした。
古庄:壮絶ですね。辛くなかったですか?
金澤さん:大変でしたが成果が付いてきていたことでやり甲斐がありましたし、毎日いろんな銭湯に行けるしそんなにきつくなかったですよ。
古庄:すごくポジティブですね(笑)。
金澤さん:全国を回って営業に行って、約7割は契約を取ることができました。初めは認めていなかった親父も、毎日成果を報告すると「すごいね」と素直に言ってくるようになりました。
古庄:7割とは、大前進ですね!
金澤さん:いやいや、親父は99%契約取りますから。僕なんてまだまだです。親父は営業歴40年ですし、何より営業センスが桁違いだと思っています。なかなか真似できないですよ。尊敬していますね。
※実際に営業先で契約したときの伝票の写真
古庄:ずっと卸売先を探して、営業をしていらしたんですね。今はhumming birdさんは店舗をいくつかお持ちですが、どう行った経緯で店舗を開くに至ったんですか?
金澤さん:約2年間ほど飛び込み営業をするうちに、親父と僕の2人で卸先を回って全力で営業しても、会社として成長することには限界があるのではないか、と考えるようになりました。もちろん、商品の素晴らしさを伝えていただいている小売店様は大切なことは変わりないですよ!
古庄:会社として、新しいことに挑戦するべきだと判断されたんですね。
金澤さん:はい。まずは、会社の内部を整えること、そして直営の店舗を増やすことでより多くの人に知っていただくことが必要だと。
古庄:おお!まずは、会社の内部改革も行ったと?
金澤さん:そうですね。会社内の無駄な作業を減らし、効率化を重視したやり方の徹底を行いました。あとは、SNSやオンラインストアを始めました。
古庄:会社にとっては大きな変化だと思うんですが、社長であるお父様との意見の対立は当然あったのでは?
金澤さん:始めはとても嫌がっていて、毎日ケンカしていました(笑)。でも、今までの営業の成果もあり渋々ですが少しずつ話を聞いてくれるようになりました。
古庄:それで、店舗の出店の話も聞いてくれたと?
金澤さん:いやいや!それが、出店に関しては、親父はずっと反対でした。というのも、親父は以前、自分でセレクトショップを出店した経験があるんですが、大赤字で大失敗したそうです。それで、小売りは上手くいかないだろうと。
古庄:そうだったんですね。それをどう説得されたんですか?
金澤さん:強引に、ほぼ単独で進めましたね。”僕が店頭に立って売るんだから、絶対に売れる!”と強い自信があったので。親父には、店舗の出店が決定した日に報告しました。
古庄:初出店に漕ぎ着くまではどんなことがあったんでしょうか?
金澤さん:偶然、アトレで働いている知人がいて、その人の紹介でアトレ大井町店の課長さんに直談判しに行きました。そこで、まず1ヶ月の期間限定のポップアップストアを開く機会を得ることができました。
古庄:直談判とは、また思い切りましたね。ここでも、全国を飛び込み営業した経験が活きたのでは?
金澤さん:そうかもしれませんね(笑)。しかし、初出店は2020年の4月!まさにコロナの関係で外出自粛の呼びかけの真っ只中でした。この影響で、1ヶ月の期間限定のはずが、1週間しか出店できませんでした。それでも、1日8万円ほど売り上げました
古庄:1日8万!靴下の平均が1,500円とすると、大体1日50足以上売ったと?
金澤さん:そういうことですね!この1週間が次のチャンスを呼び寄せて、2020年9月に再び大井町のアトレの方から「次はポップアップと半年間の限定でもう少し規模を大きくして出店しないか」と声をかけていただけたんです。
古庄:すごい!良かったですね。
金澤さん:でも、蓋を開けてみたらHumming Birdと大手アパレルメーカーとどちらを出店させるかで選考がありました。選考面接の時に「1ヶ月に400万円くらい売り上げていただきたいです。できますか?」と聞かれ、僕は「はい!売り上げます!」と言い切ってしまったんです(笑)。当時は店舗の経営の経験がなく怖いもの知らず。1ヶ月に400万がどれほど大変なことかわかっていなかったんです。ただ、この即答した一言が選考員の心に響いたようで『ぜひ、若いベンチャー企業にチャンスを与えたい!』とHumming Birdの出店が決まりました。
古庄:金澤さんの意気込みと体当たりのチャレンジ精神が選考員の心を動かしましたね。
金澤さん:2回目の半年間で、また新たに多くの方に知っていただけました。それに加え、今度はHumming Birdのファンの方ができ始めたことが前進でした。1度購入して、製品の良さを体感していただいたお客様方が何度も足を運んでくださるようになったんです。
古庄:なるほど!何ごともファンの力は大きいですよね。
金澤さん:はい。この経験から、品川、池袋、吉祥寺、多摩プラーザと場所を転々と変え、期間限定のポップアップストアの出店が決まり一気に広がりました。
さらに、2021年の10月からは品川店が期間限定の店舗から常設店舗に大躍進しました。これも、何度も足を運んでくださる方々のおかげです。
古庄:わずか2年足らずで成長が著しいですね!
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次回は2月2日(水)に、今後の会社の方針と日本製の製品へのこだわり、そして就職活動をする方々に伝えたいことについて伺います。
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