【インタビュー】窓口業務から新学校建設まで!? 役所で働く公務員の仕事を知ろう!《特別区編・後編》

【前編】では公務員試験の話や公務員の働き方についてお話いただきました。後編では、実際に携わってきた仕事の話やお二人の仕事観など、公務員の神髄に迫っていきたいと思います!

自分がこの世からいなくなっても残る“学校をつくる”仕事。

コンドウ:公務員というとどうしても接する機会が多い、窓口業務をイメージしがちです。先の3つの職場をもう少し詳しく教えていただけますか。

川浪さん:事務職は大きく、窓口業務内部管理業務事業執行業務の3つに分類されます。直接区民のみなさまに接して相談をうけるのが窓口業務、私たち人事課のように職員を対象とする内部管理業務、実際に政策とか事業を企画・立案・実行するのが事業執行業務です。事務職はそれらの部門で多岐にわたります。

コンドウ:事業執行業務ってあまりイメージできないんですけど、具体的にはどんなことをするのですか?

川浪さん:新宿区でいうと、イメージしやすいのは文化観光課ですね。大新宿区祭りという区をあげた大きなお祭りがあるのですが、その運営をしたり。それから環境対策課は区の取り組みとしてCO2削減の計画をたてたりしています。区民とは直接はかかわりませんが、区の制度や区民のみなさまに還元するサービスなど、政策の中身を取りまとめる部署です。

コンドウ:川浪さんは人事課の前は教育委員会事務局教育施設課というところにいらっしゃったそうで。どんな仕事をされていたのですが?

川浪さん:教育施設課では学校の統廃合に伴う新校を設置する仕事をしていました。

コンドウ:新校設置?

川浪さん:当時新宿区は少子化の影響で、学校の適性規模を確保するために統廃合が進んでいました。私も2つの区立中学校を統合して新しい学校を作る仕事をしました。新校舎の建設や新校の校歌、制服などの選定、古い校舎から新しい校舎の引っ越しなど、新校が開校するまでの一連の仕事をすべてやります。新卒で配属されて4年間で小学校が1校、中学校が3校誕生しました。

コンドウ:人事課の仕事と全然違いますね! しかも、新しい学校をつくるって、スケールがすごい…。具体的には、どう進めていたんですか?

川浪さん:学校って地域の中心なんです。地域のみなさんは学校の存在をすごく大事にされています。最初に校長、副校長といった学校関係者、PTAなどの保護者の方々、それからその地域にあるすべての自治会の会長さんで協議会を作り、その協議会に検討事項を挙げ、進めていきました。

コンドウ:学校ってそんな色々な人が関わってるんですね。

川浪さん:私たち区の職員は、決めなければいけないことを投げかけたり、意見を取りまとめたりするファシリテーター役です。

コンドウ:一番印象に残っているエピソードはありますか?

川浪さん:やっぱり、新校舎の設計をするときに校長先生、副校長先生、各教科の先生と建築の専門職の区職員とみんなで図面をひろげてここに何おこうかと打ち合わせをして設計していったことが、すごく印象に残っています。今でも自分が携わった校舎のどこに何があるか頭の中に入っています。

コンドウ:建設会社のようなお仕事ですね。

川浪さん:あくまで事務方ですけどね。設計会社の方の専門的なお話を聞きながら、自分が中学生だったとき何気なく置いてあった理科の机とか、実は先生方のすごいこだわりがあって、大事な備品だったんだなって(笑)。教科ごとに先生の熱い想いが感じられ楽しかったです。

コンドウ:これは新宿区の中でも特殊な仕事ですかね。さすがに(笑)

川浪さん:めったにない仕事ですね。一回つくると50~100年は新しいものはつくりません。私がこの世からいなくなっても残っている建物があると思うと感激です。

コンドウ:そんなレアな仕事に携われるのも、公務員ならではですね。

役所のサービスは人の多様性によってつくられる。

コンドウ:配属先はどう決まるのでしょうか。希望は出せるんですか?

相馬さん:年に一度所属長と面談があります。そのときに行きたい職場をお伝えすることは可能です。

コンドウ:入職時はどうですか?

相馬さん:面接の際にどういった職場で働きたいかという質問はありますので、そこで具体的な部署名を伝える方もいれば、ふんわりと伝える方もいます。

コンドウ:おふたりは希望して人事課へ?

川浪さん:私は特に異動の希望は出さなかったです。人事課という内示を見てびっくりしたことを覚えています。

相馬さん:私は志望動機の中で不登校の方や病気の方々の人生に直接関わるような仕事がしたいです、とふんわりとお伝えしました。どこの部署でも構わないんですけど、いずれは直接どなたかの人生と関わるところにいきたいと思っています。

コンドウ:公務員の良いところや働きがいみたいなところはどんなところですか?

川浪さん:区民生活にかかる様々な課題に多角的にアプローチできるといいますか…、民間企業だと業界っていう括りでわかれると思いますが、私たちですと福祉、健康、防災、文化観光、環境まちづくり、いろんな面から人々の生活をサポートできるので、私たちならではかと思います。

コンドウ:なるほど~。反対に公務員という立場上できないことや不都合はありますか。

川浪さん:私たちの仕事は法律や条例で定められている制度に基づいて実施しているものなので、区民のみなさまに公正かつ公平な職務をしなければなりません。そのため区民のみなさまの要望すべてにお応えできないことも多々あります。そういった点でできないこともあるのですが、現場の現実を受け止めて、誠実に可能な限り柔軟に総合性の高い仕事をしていくことを心がけています。

コンドウ:最後に人事係としてどんな人が向いているとかありますか?

川浪さん:やはり人のために、区民のためにと仕事と向き合える人は、公務員に向いていると思います。ただ、向いていない人はいないと思います。人の多様性が仕事の多様性を支えているので、いろんな人がいるからこそいろんな仕事が成り立っているので。それから、公務員に限らないと思いますが仕事に対して責任を持つことが最低条件ですね。

まとめ

おふたりの誠実さがひしひしと伝わるインタビューとなりました(読者のみなさんにも伝わっていますように)。
僕自身、公務員といったら窓口の業務程度しかイメージがなかったですが、本当に多岐に渡る仕事があるんだなと。そしてその上に僕らの生活が成り立っていることを実感しました!
試験は科目も多く難しそうですが、この記事をみて興味を持った人がいたら、ぜひチャレンジしてみてほしいです。

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書いた人:しごとの道しるべ 編集部 コンドウユウキ
編集部最年少のゆとり担当。営業であり、採用アドバイザーであり、学生の相談も乗ったりと、いくつものわらじを履く。学生時代はデザインをかじったがゆえに、デザインの口出しは得意だが、絵を描くのは苦手。Twitterはこちら。

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