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2020年04月01日
お待たせいたしました!みなさんの生活を支えているけど、ちょっと認知度が低い業界を特集する「地味にスゴイ!業界研究」。
第4回は「防災設備業界」を研究します。
みなさん、防災設備と聞いて何を思い浮かべるでしょうか。
火災報知機?消火器?スプリンクラー?すべて、正解です!
そう、私たちの生活を危険から守ってくれる設備・機器のこと。
食品、旅行、金融のようにイメージしやすいBtoC業界だけではなく、BtoB企業のような地味だけどスゴイ!と言ってしまうような知らないともったいない!世界を見ていってください。
実は、火災報知機などの防災設備機器は、昭和23年に制定された消防法という法律で建物への設置が義務付けられています。
消防法の目的は、大きく分けて3つ。
①火災の予防・警戒・鎮圧により国民の生命・身体・財産を保護する
②災害による被害を軽減する
③災害等による傷病者の搬送を適切に行う
これらのことから、消防法では学校、病院、工場、事業場、興行場、百貨店、旅館、飲食店、地下街などのあらゆる施設で、消防設備、消防用水、消防活動に必要な施設の設置を義務付けているのです。
主な消防設備は、消火器、自動火災用報知機、屋内消火栓、スプリンクラー、誘導灯など。
そう考えると、消火器はどこにでもあるし、あの赤くて目立つ火災報知機などもオフィスや学校などでよく見かけますよね。小学生の時は、あの押してはいけないボタンを押してみたくてウズウズしたものです。
これらのものが、どの施設にも防災のインフラとして、設置されています。
ということは、これから大幅な消防法の改正がない限り、あり続けるもの。絶対になくならないものなのです。
防災設備業界の大手3社の売上を見ると、安定かつ着実に売り上げを伸ばしています。これは、オリンピックやオフィスなどのリノベーションの増加と関係性があるようで、何か建物が建ったり、リノベーションをすると必然的に防災設備の受注も増えるのです。
警察官や消防士などと同様、世の安全のためになくならない安定した業界と言えます。
住宅やオフィスだけでなく、もちろん商業施設や観光施設でも防災設備は納入されています。
もちろん活躍しないことを願っていますが、いざという時に必ず活躍できるように、綿密なシミュレーションと性能で防災システムを構築しています。
たとえば、火災報知システムを手掛けるホーチキは、東京スカイツリータウンに防災システムを納品しています。東京スカイツリータウンは、タワーや商業施設を含め3つのエリアで構成され、それぞれに独立した火災報知システムを導入したことで、エリアごとの細かい防災管理を可能にしています。
施設全体に設置された感知器はなんと約8,000個!
シンボルのスカイツリーでは、展望回廊の上、約480mの位置にまで取り付けられており、国内では地上から最も高い位置に取り付けられた感知器だそうです。
関東大震災を機に創業した能美防災は、1993年に建造された福岡ドーム(現 福岡Yahoo!JAPANドーム)に防災システムを納入。
熱により火災の発生を感知する装置とそれと連動させた放水砲のシステムを開発。その放水砲は、当時最長の100m超えの放水距離を誇るそう。また、火災検知器は、今もたった1台で直径200mのアリーナ全域に目を光らせています。
このように、それぞれの建築物に合わせて、最大の効果が発揮できるように防災システムが開発され納入されているのです。
また、例として挙げた東京スカイツリーだけでなく、様々な施設に膨大な数の感知器が設置されているとのこと。その数は1万にも2万にもなるようです。
なかなか気にすることのない防災設備ですが、着実に進化しています。
火災報知機といえば、ぐっと飛び出した赤い円形でグッとボタンを押しこむタイプの報知機にウルトラマンのアラームのような赤い表示灯を思い浮かべませんか?
能美防災が開発した新しい火災報知機は報知機部分と飛び出していた赤い表示灯が合体。
報知機の周りにリング状の表示灯が付き、フラットですっきりとしたデザインに。2014年度のグッドデザイン賞の金賞を受賞しています。
必要だけど、空間には邪魔になりがちな設備を、違和感のなく溶け込めるようなデザインに。性能を追及するだけでなく、活躍することがない方が良い部分、普段あり続けることを考えたデザインにはとても共感できますよね。
そんな防災設備業界の主要企業をご紹介します。
大正12年の関東大震災をきっかけに創業した防災設備メーカー。2017年3月期の売上高は1,010億円と業界No.1。
通常のオフィスビルだけではなく、青函トンネル、瀬戸大橋などの交通インフラや東大寺などの文化財といった特殊な施設にも防災システムを手掛けており、アジアを拠点とした海外進出も行っています。
近年では、スクリンプラーの技術を活かし、ヒートアイランド対策として、消火設備の技術を活用した「ドライミスト」を開発するなど、新たな分野への挑戦も進んでいます。
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大正7年に前身である東京報知機株式会社が設立。2017年3月期の売上高は731億円と業界No.2。
防災事業を軸に、セキュリティ、情報通信ネットワーク分野にも進出しています。国会議事堂や東京ドームといったランドマークなどの大規模物件の防災設備を手掛けています。海外進出にも積極的で1961年のタイへの輸出を皮切りに、海外で展開するエリアは129ヶ国にものぼります。
前身は1954年創業の日本火災探知器株式会社。2017年3月期の売上高は329億円で業界No.3。日産スタジアム、JR東京駅、NHK放送センターなどの防災設備を手掛けています。
近年では、駐車場用の消火設備「アクアフォース」が消防庁長官賞を受賞するなど技術力に定評があります。
いかがでしたでしょうか。
私たちの生活をいざという時に守ってくれる防災設備業界。
使われないことを願いながら、素晴らしい製品を生み出し続けています。
東日本大震災などの災害を機に、確実に進化していく防災設備。学校や商業施設、少し気にしてみてはどうでしょうか。あっ!こんなところに!と、発見があるかもしれません。
地味にスゴイ!防災設備業界!
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#1 【地味にスゴイ!業界研究】建機レンタル業界編
#2 【地味にスゴイ!業界研究】車イス業界編
#3 【地味にスゴイ!業界研究】飼料業界編
書いた人:しごとの道しるべ 編集部
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