【インタビュー】結婚・出産・子育て、でも自分の軸はぶらさない。「今」を生きる大切さ

様々な企業が女性活躍を推奨し、女性の働き方が見直されてきています。結婚・出産・子育てと、ライフイベントに左右されがちな女性の働き方。学生や新卒で入社したばかりのみなさんには、まだ先だと思いつつも、一度は「自分の将来は…」と、考えたことではないでしょうか。

今回、お話を聞く松島さんは、学生時代の躁うつ病、学生結婚・出産、新卒での就職、離婚を経て、墨田区にあるホームページ制作・コンサルティング会社の株式会社Soichiroで働いています。この経歴だけ見ても、様々なことに向き合ってきた日々。その都度、迷いながらも、自分の声に従い、自分らしさを忘れずに歩んできました。

自分がそのタイミングになった時、どんな選択肢があるのか、何を選択するのか。今回は、女性としてライフイベントを経験し、それでも自分のやりたい道に突き進む松島さんに話を聞いてきました。

ボロボロだった学生生活、妊娠してからの変化

コンドウ:松島さん、今日はよろしくお願いします。まずは、松島さんの今のお仕事について、教えてください。

松島さん:よろしくお願いします。Soichiroは、いわゆるホームページ制作会社なのですが、その中でも、特に戦略に力を入れている会社です。徹底的にクライアントの理念やサービスを学び、最大の理解者として売上につながるホームページを制作しています。

ウッディでおしゃれな内装(※2019年7月に新オフィスに移転されております)

コンドウ
:Soichiroさんのホームページも拝見しましたが、その理念が伝わってきましたね。Soichiroさんでは、松島さんはどんな仕事をされているんですか?

松島さん:Webコンサルタントです。クライアントの要望を聞き、戦略を立てて、サイトの構成を決定しています。サイトの設計図を書いた後は、デザイナーやコーダーに意図を伝えて、指示を出していきます。大事なのは、心の部分。クライアントさんが日々何を想って、その商品やサービスを提供しているのか。そこを一番意識して、制作チームに伝えています。

コンドウ:ある意味、クライアントさんからの意思を引き継ぎ、具現化するための一番重要な役割ですね。もともと学生の時からWeb関係の仕事を目指していたんですか?

松島さん:大学は、武蔵野美術大学に通っていたんですけど、ファッションデザイナーを目指してたんです。Webの世界に入ったのは、転職してからなんで、まだ1年ちょっとですね。

コンドウ:ファッションデザイナー!?……また全然違う方向性ですね。ところで松島さん、学生時代に結婚・出産をされてるんですよね。

ハードな話を笑顔でする松島さん

松島さん:そうなんですよ!大学時代の話をすると、なかなかハードなんですが(笑)

コンドウ:心して伺います。

松島さん:美大って、授業で何かを制作することが多いんですけど、それって作るのに時間もかかるし、材料費とかですごいお金がかかるんですよ。それで、材料費を稼ぐためにキャバクラでバイトして、完全に昼夜逆転生活。そんな生活をしてたら、躁うつ病になってしまって。

コンドウ:もう全体的に話がヘビーすぎます。

松島さん:ちょうど、そのタイミングで妊娠が発覚しました(笑)

コンドウ:畳みかけてくる。

松島さん:これは降りてきたと思いました。神様かわからないけど、「おまえは生きろ!」と。「しっかりせい!」と、言われている気がして。もうふらふらしていられない!と思いましたね。その時は、不登校気味でもあったので。

コンドウ:少し聞きづらいことなんですが、正直、産まないという選択肢は考えなかった?

松島さん:全く考えませんでした。もう、カモン!来た!って感じでしたからね(笑)

コンドウ:すごい…。その時、旦那さんはどんな反応だったんでしょう。

松島さん:その時、元主人は社会人として働いていたので、全然OKで。そのタイミングで結婚もしました。

コンドウ:子どもを授かってから、人生が180度変わり始めていますね。

時短制度がなければ、つくる。自分で環境を変えていく

松島さん:そうですね。それで子育てをしながら大学も通って、ストレートでちゃんと卒業しました。実家が近かったこともあり、両親に面倒を見てもらったりとか、赤ちゃんと一緒に学校に行ったりとかして、なんとか卒業できました。

コンドウ:すごいバイタリティ。本当にふらふらしてない。卒業して、その後は子育てに専念したりとか・・・?

松島さん:全然してないですね。新卒で印刷会社に入社しました。

コンドウ:えっ!?すぐ働き始めたんですか?

松島さん:ですね。ありがたいことに保育園にも入れて、印刷会社にデザイナー職で入りました。

コンドウ:今は保育園にも入りにくいと聞くので、それはありがたい。しかも、ちゃんとデザイナー職で。

松島さん:でも入ってみたら、全然”デザイナー”って感じの仕事じゃなかったんですよね。その会社はチラシがメインの印刷会社で、決められたチラシのテンプレートに情報を当てはめていくだけの仕事で。

コンドウ:自分としては、あまりデザインをしているという感じじゃなかった??

松島さん:まったくなかったですね。自分の個性がまったく活かせないし、誰のために働いているんだろうって。チラシって、たいてい読みもせず捨てられてしまう。3年経ったころには、あー……社会に埋もれていくってこういうことかと。自分のステージはここじゃないなと思い始めてましたね。

コンドウ:働いている意味が見えないのはつらい。

松島さん:しかも、暇なときは暇で、やることがなくても定時までいなきゃいけなくて、それも苦痛でした。

コンドウ:確かに、当てはめるだけっていうのは、退屈になってしまうのかも。暇なのは、人によってはうらやましいかもしれませんが。

松島さん:確かにそうかもしれません。でも、子育てもあるので、早く帰りたいし。だから、時短勤務の制度をつくっちゃいました。

コンドウ:えっ!つくっちゃったんですか!?

松島さん:そうなんです。もともと「時短勤務」という制度はなかったんですけど。他の女性社員にも聞いてみたら、時短勤務したいっていう人が多くて、みんなで帰れるようにしようと。ただ、言っているだけじゃしょうがないんで、みんなで声を上げて、時短勤務の制度を作りました。

コンドウ:すごい行動力。動けば変わるんですね。

松島さん:みんな言わないだけで、やりたいことはあるんですよ。それをちゃんと伝えればいいだけの話。

離婚はやっぱり怖かった、保証がなくなることへの不安

コンドウ:それが、なかなかできない人が多いんだと思います。時短勤務ができて、状況は改善したけど転職したんですよね。

松島さん:結局、大学を卒業してから6年働いていましたが、離婚をきっかけに退職しました。

コンドウ:……ここで離婚……。人生の岐路が次々から次に飛び込んできて、混乱してます。

松島さん:ずっと旦那とは共依存と呼ばれる状態で、お互いがお互いを必要としすぎていたんです。でも、もっと自立しなきゃ自分がダメになると思って、悩みに悩んで決断しました。

コンドウ:何に悩んでいたんでしょう。

松島さん:やっぱり、怖かったんですよ。自分と子どもの生活はどうなるのか。仕事はどうなるのか。安心して住める場所があるのか。保証はあるのか。旦那と一緒にいれば、そこは保証されているけど、最終的には自分の声には抗えなくて。

コンドウ:なるほど。

松島さん:自分の殻は破りたい、変えたいと思って、旦那に伝えました。

コンドウ:ここでも、違うと思ったことは諦めないで、自分の軸を通してますよね。生きていける保証を捨てる決断っていうのは、なかなかできないことだと思います。

デザイナーへの再挑戦、新しいチャレンジ

コンドウ:Soichiroさんはどこで見つけたんですか?

松島さん:マザーズハローワークとかに通いながら、仕事を探していて。前職と同じような印刷会社を見たり、派遣会社にも登録して探してたりしたんですけど、その中でSoichiroが一番光って見えた。

コンドウ:なにが光って見えたんでしょう。

松島さん:Webなら印刷会社でできなかったデザインができるかもと。違う分野なので、すごい怖かったですけど。やっぱりデザインに携わりたかったので。

コンドウ:はい。

松島さん:連絡したら、社長の扇塚が経験もない自分にデザインテストを設けてくれて、チャンスをくれました。

コンドウ:結果は?

松島さん:全然ダメでした。実用レベルじゃないって言われて(笑)

コンドウ:えっ!?そんなはっきりと!!

松島さん:でも、本当ならそこで試用期間終了ってところなんですけど、扇塚は度量の大きい人で。とてもありがたいことに「じゃあ他のことやらせてみよう」って。そこからWebコンサルタントを目指すことになりました。それが2017年の11月ですね。

女性7名、全員子持ちで在宅ワークの職場

コンドウ:扇塚さんの心意気が伝わってきますね。今はどんな体制なんでしょう。

松島さん:Soichiroは、いま9人のメンバーが在籍しています。そのうち、社長とデザイナー以外の7名は全て女性です。

コンドウ:ほぼ女性!

松島さん:しかも、全員子持ちで、在宅で働いているんです。

コンドウ:全員子持ち!?スゴイ割り合いというか、それだけで女性が働きやすい職場なんだってことがわかりますね。

松島さん:私自身、小学3年生の娘がいますが、自宅で働くことも多いです。そもそも、うちの会社には、社内に9名全員が収まるスペースがないですから。

コンドウ:そもそもスペースがないんだ。徹底してますね。

松島さん:クラウドで共有して、どこでも仕事ができるので。私は基本、会社に来てますけど、2名は常に在宅ワークをしています。このまま子どもが少なくなって、人口が逆ピラミッド型になっていった時に、働くお母さんたちに、働ける環境を提供していくことが必要だと。

コンドウ:ふむふむ。

松島さん:それが結果、子どもが増えることに繋がっていくと扇塚は考えているんです。だから、ママさんたちを積極的に採用したいと考えているし、今後の会社の目標として、保育園併設の会社を作っていきたいと言っています。

コンドウ:なるほど。そういう想いがあって、女性採用に力を入れているんですね。

「ここで間違っていなかった」と言える職場の見つけ方

松島さん:それに、採用だけじゃなくて、入社後のことも支援してくれます。私も入社して5か月後には新しいチャレンジとして、産業能率大学に通い始めて、心理カウンセラーの勉強をしています。

コンドウ:心理カウンセラー。また、新しい情報が入ってきましたね(笑)

松島さん:実は、自分が経験した「共依存」という状況を勉強するために、独学で勉強してたんです。それを、今年の4月から通信制の大学に通い始めて、しっかり勉強し始めました。

コンドウ:新しい仕事が始まったばかりなのに、さらに大学もなんて…。無尽蔵の行動力。

松島さん:独学で心理学を勉強していく中で、だんだん人が持つ悩みの本質がわかってきて、悩みの外し方みたいのがわかってきたんです。それを悩んでいる人に提供していきたいって気持ちが出てきて、今では個人で心理カウンセラーの方面で独立したいと思っています。

コンドウ:それは、もうSoichiroさんとか関係なく?

松島さん:そうですね。扇塚にも、そういった想いは全て共有していて、アドバイスもくれてますよ(笑)

コンドウ:懐が広すぎる。

松島さん:扇塚がそれを推奨する人なんですよ。みんながここで何かを培って、踏み台にしてくださいと。

コンドウ:それを言える経営者の方はなかなかいないと思います。

松島さん:本当に感謝しています。私の判断は間違っていなかったなって思いました(笑)

コンドウ:「間違っていなかった」と言える職場は、本当にうらやましいと思います。それに巡り合えない方もたくさんいますから。そういう職場にはどうしたら出会えるんでしょう。

松島さん:もちろん、たまたま出会えたというのもありますが、人って起こりもしないことを不安に思ったり、やってみなきゃわからないようなことを不安に思って、停滞してしまう時間が長いんですよね。その結果、本当はやりたいことがあっても、「お金も大事だし」とか、「キャリアが大事だし」とかで、自分の本心じゃないものを選んでしまう。そこを自分の本心に素直になれるか、が大事だと思っています。

コンドウ:確かに、不安に思ってたけど、いざやり始めたら案外大丈夫だったり、すんなりうまくいくことってありますよね。それも決断できるかどうかの違いかもしれません。最後に就活をしている学生や働くということに悩んでいる若者にアドバイスをもらえますか。

松島さん:私が、今日話したようなことを乗り越えて来れたのは、やっぱり自分と対話したからなんですよね。自分の答えは自分の中にしかないと気づいてから、軸をぶらすのはやめました。ただ、両親とか他のSoichiroのメンバーにとても助けられているので、そこも忘れずにいなきゃと思います。

コンドウ:なるほど。

松島さん:先のことを考えると、軸はぶれやすくなる。結婚とか、出産とか、そのタイミングはいつ来るかわからないのに、そこを考えすぎている気がします。それよりも、まずは今を考えてほしい。考えすぎて、つまらない会社に入って、やりたくもない仕事をすることになっちゃったらどうするの?って。例えば、全然制度は整ってないし、小さい会社だけど、めちゃめちゃ面白そうなことしてる!そういう直感を信じて、ピンと来た方にいくっていうのもありなんじゃないかなと思います。

まとめ

さまざまなライフイベントを乗り越えながら、自分のやりたい道を模索し、その都度叶えてきた松島さん。他人を軸にするのではなく、自分を軸にすることで、他人をも巻き込みながら進んできました。

今は、他人の目を気にしすぎて、窮屈な思いをして、生活している人も多い気がしています。

自分が「今」やりたいことに素直になって行動してみると、いつもと違う景色が見えるかもしれません。

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書いた人:しごとの道しるべ 編集部 コンドウユウキ
編集部員であり、営業であり、採用アドバイザーであり、学生の相談も乗ったりと、いくつものわらじを履きすぎて、下駄箱がいっぱい。学生時代はデザインをかじったがゆえに、デザインの口出しは得意だが、絵を描くのは苦手。日本酒を与えると、大抵のことはしてくれる。Twitterはこちら。

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