【先輩のホンネ】多様な生き方?働き方? ~若手社会人の職業観を覗いてみよう~

学生時代、「社会人って、迷いがなくて、自分をしっかり確立できていそう」と思っていました。実際に社会人になった今感じるのは、悩んだり、迷ったりしている人が意外と多いんだということ。
多様な働き方・生き方が認められ、受け入れられるようになり、選択肢が増えた昨今、理想の人生について考える社会人も増えてきているのでしょう。

今回は、そんな中で悩んでいる社会人5年目、なつみさんの初コラムです。
現在のお仕事は町工場。正社員・フルタイムの彼女は、「旅をしながら働く」という生き方に憧れる、皆さんの少し先輩。まさに今、働き方・生き方を考え、悩んでいるなつみさんは、若者の職業観についてどんな捉え方をしているのでしょうか。

社会に出ることに不安がある方は、読むと心が少し楽になるかもしれませんよ。

【目次】

1、お仕事は町工場勤務。人生は迷子中
2、職業観って?
3、若いうちは仕事-終身雇用と正社員
4、好きなことを自分のペースで-多様な働き方
5、まとめ

お仕事は町工場勤務。人生は迷子中

はじめまして、なつみです!

まずは自己紹介から。新卒で町工場に就職し、4月で社会人5年目に突入。若手とはいいにくいポジションに。
小さい頃からやりたいと思うこともなく、卒業アルバムで「将来の夢は?」に答えなきゃいけない欄には困った記憶があります。就職活動を始めた頃は、「安定していそうという」安易な考えから公務員を目指して勉強。今思えばとても失礼な理由でした。すみません。その為か、ことごとく不採用というオチ・・・。

不器用だけど美術部に所属していて、モノづくりに興味があったことから、民間企業はメーカーを中心に事務で探してみました。何社か受けている途中、とある企業の現場を見学させてもらったのをきっかけに、「事務をして支える側ではなく、作る側に回りたい」と思うようになり方向転換。大学はコテコテの文系で、技術も知識もなし。未経験可の企業を探し始めてから、なかなか決まらず焦り始めた夏頃、参加した合同企業説明会で現在働く会社に出会い、無事採用。今に至ります。

ただ、昨年の3月頃、ふと会社と家の往復になっている日常に疑問を抱き、「このままでいいの?このままの働き方をしていきたいの?」と悩むように。

サラリーマン家庭で育ったこともあり、就活中は「正社員になることがすべて」「非正規雇用だと、いつ首を切られるか分からないから不安定」「新卒ブランドを捨ててしまったら、就職することが困難になるし、人生が終わる」など、人と違う道を辿ってレールから外れてはいけないんだ、と思い込んでいました。「大学卒業後はすぐ就職して、定年まで勤めるのが当たり前」という意識がすごくあったんです。

けれども今は考えに変化が。現状の生活を抜け出したい思いから、一人旅に出たりイベントに参加するようになって、知らなかった外の世界を発見。多様な働き方をしている人がいると気が付いたんです。
特に影響を受けているのはトラベルライターの古性のちさん。今は、旅をしながら仕事をするという生き方・働き方に憧れて、もがいている最中。まさに人生絶賛迷子中です。

そもそも職業観って?

そんな私が今回いただいたのは、「若者の職業観の変遷について」というお題。そもそも職業観って何だろう?という所からスタートしました。

職業というと、会社員や自営業、学生など、普段していることを表しますよね。もっと細かく言うこともできます。そこに観の字を足すと、「将来はこうなりたい」「こういう働き方をしたい」という気持ちを意味することが多くなります。「理想の人生ってなんだろう」と考えることかもしれません。

冒頭で「将来の夢がなかった」とお伝えしたのですが、それでも就職活動のときは自己分析をして、やりたいこと・将来のことは考えました、一応。残念ながら未だに明確にできていないので、日々考え中。
何のために働き、何のためにその仕事をするのか。働くことの価値観をどこに置くのかは一人ひとり違いますが、分かりやすいように大きく3つに分類してみました。

「生活をするため」にお金を稼ぐための手段

生きていくためにはお金が必要だから、興味を持った仕事を選んで働くパターン。何がしたいかは分からなかったので、私はココに当てはまるかなと。

「自己表現・個性発揮・自己成長」をする場としての手段

絵が好きだからデザインの仕事をしたい、スポーツが好きだからスポーツ選手になりたいなど、仕事を通して自分を表現したり好きなことに携わって働くパターン。好きなことを仕事にしたい人はココ。

「社会的役割」を実現する場としての手段

人の役に立ちたい、困っている人や社会の役に立てるような仕事がしたいという思いを持っている人が医師やソーシャルビジネスに就くパターン。自分の力を社会貢献に使いたい人はココ。

 

どこか当てはまる項目はあったでしょうか。どれが良くてどれが悪い、ということはないし、時代の流れや考え方によって、どんどん変わってくると思います。
今書きながら考えているのは、「若者の職業観の変遷」というテーマと、個人的な考え方の変遷が、似たような道を辿っているような。私はもともと①でしたが、少しずつ②に変化してきています。それは不安で仕方なかったのを乗り越えひとり旅をしたことで、好きなこととやってみたいことが分かってきて、選択肢もたくさんあると気が付いたから。

若いうちは仕事-終身雇用と正社員

高度経済成長からバブルの時代は、学校を卒業すると同時に正社員で就職し、そのまま何十年と勤め上げて定年退職を迎えるのが一般的。もともと持っている自分の中の常識はこれでした。現在働いている会社でも、この年代の方は、定年退職を迎えるまで勤め上げている方が多いですし、少し下の親世代も似たような価値観があるようです。

当時は景気が良くて、働いた分だけお給料に還元される”イケイケドンドン”の風潮があったと聞きます。お給料が入った袋が立ったのは幻ではないらしいですね。羨ましい限り・・・。

極端な言い方かもしれませんが、「会社にどれだけ貢献して昇進できるかが大事」という風潮だったのかも。残業が努力と認められて、「24時間、働けますか?」というキャチコピーの飲料CMがあったほど。ブラック企業なんて言葉は存在せず、今の先輩方からすると、当時は日付を越しても仕事があれば働くのは当たり前だったとか。「大変なこともあるけど、残業代が稼げるから頑張れた」と聞きました。

上のパターンで考えてみると①に近いのかなと。若くて現役のうちは仕事をする、遊ぶのは定年退職後に落ち着いてきたらというイメージ。職場がある種の居場所になっていたのかも。このような働き方も一つですが、個人的には仕事のためにすべての時間を費やすことには疑問があります。

好きなことを自分のペースで-多様な働き方

景気の悪い時代が通常モードの世代は、たまに贅沢ができれば幸せという人が多いです。そのためお金は欲しいけど、そこそこで良い。仕事もするけれど、趣味にいそしむ時間や友達や家族と過ごす時間を大切にしたい人が増えています。

数年前、若い社員は会社の飲み会や上司の誘いを断る、と話題になったのを覚えていますか?「テレビが見たい」、「ゲームの発売日なので」、と断る理由が注目されたのですが、その時間とお金を好きなことに使いたいという思いが大きい現れではないかなと。
よくいわれるワークライフバランスを体現しているのが、若い世代の考え方。過去の飲料CMも「24時間戦うのはしんどい。3、4時間戦えますか?」に変化しましたしね。

インターネットの普及という追い風もあり、パソコンがあれば場所にとらわれず働ける「ノマドワーカー[1]」がここ数年で増加傾向。フリーランスという言葉も聞くようになり、コワーキングスペースもよく見かけるようになりました。テレワークの導入や副業の容認など、働き方改革を進める企業も登場。プロボノワーカー[2]として関わる方法もあります。
まだ現状は一部の大手企業だけなのが残念ですが、自分のペースに合わせて好きな時間に好きな場所で仕事ができるようになってきた空気は感じます。①の考え方よりも①+②(③)や②に近い人が増えてきたこと、その環境が整ってきたところも大きいはず。

私は、繁忙期や急な仕事があれば残業はしますが、特になければすぐに家に帰って好きなことに時間を使いたい一人。仕事をしたくない訳ではなく、プライベートをないがしろにしたくないのです。その気持ちは考え方が変化してから芽生えてきて、これからの方向性で浮かんできたことが。仕事をしながらいくつか拠点を持って、地方や旅に関わる仕事をしてみたい、ライターになって旅をしながら仕事がしてみたい、と考えるように。全然定まっていませんが、少しずつ前進していけたらなと。

[1] ノマドワーカー:「nomad」=「遊牧民」という意味。特定の職場を持たず、移動しながら仕事をする人を指す言葉。

[2] プロボノワーカ-:「pro bono publice」=「公共善のために」の略。自分の専門知識を活かして社会貢献する活動をする人を指す言葉。

まとめ

1つの会社で勤め上げるのが普通の時代から、インターネットの普及により、多様な働き方が出来るように。副業で複数から収入を得る方法も認知され、正社員にとらわれる必要がなくなってきました。

考えてみれば、兼業農家や季節労働が普通だった時代も。もしかしたら、夏には涼しい場所、冬には温かい場所へ渡り鳥のように移動しながら働く人が出てくるかもしれません。働き方そのものと若者のプライベートも大切にしたい考え方の変化がうまく重なったことが大きいんだと思います。

学校では、企業に勤める以外の方法をまだまだ教えてくれない印象です。会社に勤めるのが合っていれば良いけれど、それ以外の選択肢もあるのを知る機会が増えてほしいなと。転職したり、少し休んで寄り道したり、決まったレールを歩む必要はないんです。

「何をして生きていきたいか」が見つかっていなくても、分からないなりに働いてみて、少しずつ考えていけば大丈夫。新たな選択肢が出てくる可能性はあります。実際、社会人5年目の私もそうですし。

その時々で、職業観は大きく変わってきています。それこそ時代の流れを追うように。一人ひとりが自分にあった働き方を見つけて、楽しく生きていけるよう選択できればと願っています。

 

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書いた人:しごとの道しるべ ライター Natsumi Yumura
「旅をしながら仕事をする」ライフスタイルに憧れる会社員。世の中には面白くて知らない世界がたくさんあることに気が付き、自分に合った暮らし方・働き方を模索中。旅とゲストハウスときな粉が好き。日々、興味があることについて情報発信をしているTwitterはこちら

twitter:@4510_michi

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