【地味にスゴイ!業界研究】鍵業界編

お待たせいたしました!
みなさんの生活を支えているけど、ちょっと認知度が低い業界を特集する「地味にスゴイ!業界研究」。

第5回は「鍵業界」を研究します。

鍵って何?と思ったかもしれませんが、あの鍵です。
家に帰ったときにガチャっと回すあの鍵。
あのガチャっという音で、家に帰ってきた!感ありますよね。

みんな持っているということは安定している業界なのか!?
毎日使っているけど、よく知らない「鍵業界」に注目していきます。

食品、旅行、金融のようにイメージしやすいBtoC業界だけではなく、BtoB企業のような地味だけどスゴイ!と言ってしまうような知らないともったいない世界を見ていってください。

1.1,000兆2,800億通りの鍵で防犯対策

鍵って、どうやって開くのか知っていますか?

鍵は、みなさんが持ち歩いている「鍵(KEY)」と扉に付いている「錠前(LOCK)」で構成されています。鍵に凹凸があるのはみなさんご存知だと思いますが、錠前に入れた際に、その凹凸により錠前の中にあるピンが押されたり、逆に引っ込んだりします。そのピンの上げ下げにより、鍵は開くのです。一般的な鍵はこのピンが6~7本程度だそう。

そんな中、大阪に本社があるゴールさんでは、なんと1,000兆2,800億通りの鍵がつくれるとのこと。なんと24本ものピンを採用することで、1,000兆通りもの種類の鍵の制作に成功したのです。


写真出典:株式会社ゴール ディンプルキー・グランブイシリンダー
単純に言うと、この作れる種類が多ければ多いほど、合い鍵も複製されにくく、セキュリティ効果が高いとのこと。技術が高くなるにつれ、泥棒も青ざめる鍵がどんどん開発されています。

そんな、鍵を扱う鍵業界の年間売り上げは、正確な数値は出ていませんが、おおよそ550億円程度だと考えられます。最近では一般的な鍵以外にも、電子キーやスマートロックのなどの開発により、選択肢が増え、取り付けられる機会も増えてきました。近頃は、どのビルに行っても、警備員さんが立っていますが、ある意味同じ防犯業界。その需要は堅調といえます。

2.鍵にもIT化の波が来ている!?

先ほどは、物理的な金属の鍵の紹介をしましたが、今はITの時代。もちろん鍵にもIT化の波が押し寄せています。

みなさんがもしかしたら、馴染みがあるかもしれないホテルの鍵。家の鍵は回すやつだけど、ホテルは何かタッチしていたような…。そんな思い出ありませんか?

国内シェアNo.1を誇る美和ロックさんでは、「ホテルカードロックシステム」というシステムを開発しています。これは、物理的な回すタイプの鍵ではなく、カードをタッチして鍵をあけるものです。決済システムとして活用されているFeliCaなどの機能を使い、タッチするだけで鍵を開けることができます。
荷物が多かったすると、その回す行為ができない…ということもあるので、便利ですよね。

写真出典:美和ロック株式会社 ホテルカードロックシステム

これと同じようなシステムはオフィスなどの特定の人だけが出入りできる環境にも活用されています。
インターンシップなどで企業訪問した際に、人事の人が首にかかったカードを「ピっ」とやって、ドアを開けてたりしませんでしたか?

あれも、鍵メーカーの製品なのです。

3.新しい鍵のスタンダードになれるか、スマートロック製品という新市場

さらに最近では、もはや物理的な鍵やカードキーではなく、普段持ち歩いているスマートフォンを鍵にしてしまう、「スマートロック」という製品が続々と登場しています。巷では「1兆円市場」にも成長するともみられていて、ソニーやドコモなどの大手企業も製品投入に乗り出しています。

そもそもスマートロックとは、スマホで自宅の鍵を開けたり、閉めたりできる電子キー製品。
それだけだと、さっきのカードキーと何が違うのと思ってしまいますが、まずは普段持っているスマホがそのまま鍵になるという便利さ。さらに、設定しておくとドアの前に立っただけで鍵が開く「ハンズフリー」機能や一定時間が経つと自動的にドアをロックする「オートロック機能」、実家の家族が遊びに来たからその時だけ鍵を開けれるようにと第三者に権限を渡せる「シェアードキー」機能など、スマホっぽい機能が盛りだくさん。

聞いただけで、かなりストレスフリーな生活になる予感がしますね!そしてオシャレ!

写真出典:Qrio株式会社 Qrio Lock

日本では、ソニーの子会社であるQrioさん、「Akerun」を開発しているフォトシンスさんなどが、展開しています。

4.鍵業界の企業を見てみる

そんな鍵業界の主要企業をご紹介します。

美和ロック:国内トップシェアを持つ、セキュリティシステムの総合メーカー

建築用錠前の生産・販売において、国内シェア6割以上を誇るトップメーカー。「MIWA」ブランドで世界50ヶ国以上に流通しています。2016年3月期の売上高は444億円と業界No.1。2017年には、外出先からスマホアプリで施錠などを行える電気錠ワイヤレスリモートシステム「wiremo(ワイレモ)」を開発するなど、最新の通信・IoT技術を活用した新しい鍵の開発に力を入れています。

ゴール:創業100年を超える鍵の老舗メーカー

1914年創業の老舗錠前メーカー。国内シェアは3割、2017年9月期の売上は87億円と国内2位。西日本では美和ロックよりもシェアが高いそう。西日本に住んでいる学生の家の鍵はゴールさんが多いのでは?
前出している1,000兆2,800億通りの鍵を作ることが出来る「ディンプルキー・グランブイシリンダー」など、確かな技術が光る企業です。

Qrio(キュリオ):鍵業界の革命児、Iotの力で鍵を変える

2014年に設立されたソニーグループのIoT企業。正確に言うと鍵メーカーではないのですが、これから鍵はスマートロックがスタンダードになるかもしれません。2015に初代Qrio Lockが発売。今年の7月には2代目が発売され、様々な機能が追加されました。今年の秋ごろには、スマートスピーカーとの連携もできるようになるようですよ!

5.終わりに

いかがでしたでしょうか。日に日に進化している鍵業界。なんとなく、あの回す鍵しかイメージなかったですが、カードキーやらスマートロックなども考えていくと、鍵って身の回りにたくさんありますよね。

企業や自宅のセキュリティ対策は年々注目を浴びていますから、鍵業界も合わせて成長していくはず。安全になって、さらに便利になるんであれば、言うことなしですね!

とりあえず、どこでも手ぶらで鍵が自動で開くという時代は、すぐ来そうですね。
編集部のドアも早くそうならないかな。

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書いた人:しごとの道しるべ 編集部
あなたの「明日」が変わる就活マガジン「しごとの道しるべ」のコンテンツ制作チーム。就活コラムやインタビュー記事など、さまざまな「しごとの道しるべ」をお届けします。

twitter:@4510_michi

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