【インタビュー】就活辞めて「日給5円ホームレス」に!?「経験を稼ぐ」大学生の想いとは

年明けのこの時期、大学3年生の多くは、次第に現実味を帯びてきた、1年3ヶ月後の「卒業・就職」というフェーズに向けて、少しずつ本格的な活動を始めた頃かと思います。

が、そんなこの時期に、

大学4年生の後半、突如「内定辞退」・「休学」・「家出」をし、最近『日給5円の何でも屋さん』を始めた人がいる

との気になりすぎる情報を聞きつけ、編集部ではさっそく5円で彼に依頼をさせていただき、インタビューを行いましたので、今回はその様子をお送りします。

結論から言えば、インタビューを終えてみると、一見突飛に見える彼の行動の、その根本には、意外と多くの人が共感できるものがあるのではないか、と感じました。

この記事が、就職・仕事に悩む皆さんにとって、毒になるか薬になるかはわかりませんが(笑)
ぜひご一読ください。

トータル70社の就活の後に生まれた、「そもそも自分とは?」という問い

編集部:ということで、今回は愛知学院大学4年生(休学中)の、小林卓矢さんにお越しいただきました。

小林さん:よろしくお願いします。

こちらが小林さん。

編集部:小林さんは現在、日給5円で依頼を受ける『ご縁依頼』という活動をされていて、編集部でも今回、本当に5円で、依頼をして来ていただきました。
活動自体についても、聞きたいことがたくさんあるのですが、一方で現在の活動のそもそもの発端が、就職活動にあったと聞いたので、先に、就活時代のお話を伺ってもいいですか。

小林さん:わかりました。

僕は大学3年生の冬、みんなより少し遅いくらいに、本格的な就活をスタートさせました。僕の両親も姉も銀行員なので、最初は自然と金融系に関心を寄せていましたね。

でも早々に「金融、ちょっと違うかも」って感じたので、その後は不動産→建築→コンサル→広告→人材→テレビ局→芸能事務所と業界を広げ、結局70社くらい行ったと思います

編集部:社数もすごいですが、業界の幅も相当広いですね。何かやりたいことや、企業に求める条件などがあったのでしょうか。

小林さん不特定多数の人に、言葉で想いを伝えたい、という思いがありました。そこを軸に業種や職種を探す中で、「人事部」には関心がありました。

最終的に内定承諾も、内定をもらっていた企業のうち、人事部に希望を出していた建築の企業に出しました。インターンの時から「この人たちと働けるのはいいなあ」と感じていた企業だったので、納得感はそこそこあったと思います。

 

編集部:でも結局、最終的には内定辞退をされたんですよね。

小林さん:そうなんです。
内定承諾後、事務手続きを終えて、やっと就活終わった、あとは卒論書けば卒業だな…みたいなことを考えていくうちに、何か、だんだんもやもやしてきて

僕は「この人たちと働きたい」だけで内定を承諾したけど、僕はこの会社を通して何をしたいんだろうとか、この会社で10年後何をしているんだろうとか、そういったキャリアビジョンが全然見えなかった
このまま就職して、合うか合わないかを知れるのも、選択肢を一つ減らせるし、学びになると思いました。だけど、新入社員として一から仕事を覚えながら、同時に自分と向き合うのは、不器用な自分にはできないと思いました。

さらに、そんなことを人に相談しているうちに、そもそも業界とか会社とか、僕と社会を結びつける何かを考える前に、僕自身は一体何なんだろうと思い始めてきて。

その後1日5~6時間、自己問答をノートに書きだす、という作業を1ヶ月半やってみたんですけど、結局十分に満足いく答えを得ることができませんでした。

小林さんの自己問答ノート

 

編集部:それで、休学を決意した。

小林さん:そうです。自分を考えるうえで、思考に増して、人とのつながりの中で得る実体験ってすごく大事なんじゃないかと思ったので。でも初めは、就職浪人をしようと考えていました。

「生きる意味がない」。10日間の土下座を経て、休学へ

編集部:どのようなきっかけで、「休学」という形式に?

小林さん:親の助言ですね。
実は、就職浪人するって決めた後、そんなにケンカしたこともない親に対して、10日間くらいずっと土下座してたことがあって

編集部:え!

小林さん:やはり銀行員を務め抜いてきた両親の価値観と、「浪人したい」っていう僕の気持ちは、なかなか折り合いがつかなくて。「これは穏やかに話を進めるのは無理だな」と思って、最終的にはずっと頭を下げ続けていました。

それでようやく10日後くらいに、両親が話し合いをする場を設けてくれて、「わかった。でも「新卒」の肩書が外れてしまうので、就職浪人はダメだ、休学にしなさい。あと、休学期間中は家に帰ってくるな」ということになったんです。

編集部:それで、現在家を出て、様々なところに間借りしながら暮らしているんですね。
でも、ご両親の反対を押し切ってまで、自分のことを理解したいと願う、その「執念」というか、行動力って、どこから生まれてくるものなのでしょうか。

小林さん単純に、「これだ」と思える「生きている意味」がないまま生きていくのって、苦しいんです。苦しさしかないというか。

今まで様々な人とお会いしてきましたが、「これがしたい」というものがある人は皆、求心力があって、アイデアも次から次に浮かんで、ものすごいスピードで物事を成し遂げていて。
それを見るたび、僕は、彼らと僕のスピード感の違いに、頭を打ち付けられたような思いがして、悔しいなって思うんです。

編集部:それは、一刻も早く「すごい人たち」に追いつきたいという「焦り」ですか。

小林さん:いや、焦りではないですね。何者かになりたいわけじゃない。あれこれ迷って、本気で何かをやりたい人のスピード感に負けている自分が「許せない」「悔しい」という気持ちです。

結局この、「自分が劣っている」「役に立てない」という気持ちは、「生きる意味の無さ」につながっています。僕が今感じているのは、他との比較ではなく、純粋に、自分自身納得のいく、生きる意味になりえるような、没頭できるものがほしい、という気持ちなんだと思います。

「納得」を求めて。ストイックな自己探求と「ご縁活動」

編集部:それで、いろんな人との出会いや経験を求めて、現在『ご縁依頼』をされているわけですが、具体的にはどういった経緯で、この活動をやることになったのでしょうか。

小林さんのTwitterはこちらから

小林さん:もともと、家を持たず、少額で自分の時間を売るという活動は、「ホームレス小谷さん」という方がやっています。持ち前の明るさでお客さんの信頼を得て、ホームレスなのに年中寿司を食べ、挙句お嫁さんまでゲットしたユニークな方です。

僕は休学期間中出会ったある方から、「小谷さんみたいなことやってみれば?」って言われて、初めは「いや、無理っしょ」と思っていたんですが、「何もやってないのに、無理かどうかはわからなくない?」とかいろいろ言われて、次第にちょっと頭にきて「やってやるよ!!」と思ってしまったのが発端です。

編集部:就活から休学までの流れに比べると、かなり感情的で突発的な決定ですね(笑)
なかなかに大変そうな活動ですが、具体的にはどのような依頼がくるのでしょうか。

小林さん:本当に様々です。物販をしたり、リフォームを手伝ったり、人参や里芋の収穫をしたり、お金をもらって髪を切ってもらったり…

編集部:本当に何かを手伝う依頼の他にも、小林さん自体に関心をもって声をかけてくれる人も多いんですね。
特に印象に残っている依頼はありますか。

小林さん名古屋駅前で、靴磨き職人の呼び込み営業をした件は、印象に残っていますね。

16時~23時の間やっていたんですが、初めの1時間くらい本当に何も売れなくて。でもどうやったら売れるかな…と思って、僕自身をコンテンツにしたり、間合いや、声のかけ方を工夫したりしていくうちに、次第に少しずつ売れていって。

最終的に4,000円くらいの売り上げだったんですが、最後はそれが本当に嬉しく感じました。経営者視点のリアルな営業を体験できたのも刺激的でしたね。

依頼者の皆様

 

編集部:でも、実際すべて「5円」なんですよね。ちょっと聞きたいのですが、生活費はどうしているんですか。

小林さん:「しるし書店」というオンライン書店で本を販売したり、著名な方からいただいた本の手売りをして資金を得ています。

編集部:単発でバイトしたりとかは、しない?

小林さん:絶対しないです。軸がぶれるので。

編集部:そこは相変わらずものすごくストイックですね。

砂を積むと山ができ、彫ると川ができる、AR砂場というものらしい。小林さん、本当に様々なことに携わっているようです。

 

編集部:今後の目標などはありますか。

小林さんとりあえず、早くご縁依頼をやめたいですね

編集部:え!!!(笑)
あ、でも、そうか、自分の“コア”を見つけるために活動しているんですもんね。

小林さん:そうですね。

ここまでの依頼だけでも、たくさんの方の知恵をいただいて、たくさんの学びや気づきがあって、物事に対する感度も上がって、本当に有意義でぜいたくな時間を過ごしてきました。でも休学期間には限りがありますし、これだ、と思えるものが見つかれば、1秒でも早くそこに全力投球していきたいと思っています。

編集部:最後に、率直に聞きたいのですが、「自分を変えたい」「自分が本当に好きなものを見つけたい」と思いながら、実際の行動に移さない人も、世の中にはけっこういると思うんです。そういう人たちに、その…喝を入れるというか、一言もの申したくなったりはしないんでしょうか。

小林さん:いや、僕のは、自己満足ですから。それに、家を無くしての「ご縁依頼」とか、男で大学生だからできる、という部分も多分にあると思います。

逆に、言い方はあれかもしれませんが、すべてに満足いっているわけではないにしろ、「心地いい」「おちつく」「納得できる」何かがある人や、すべての行動はこのためにやっていると思えるような、帰ってくる場所というか…そういうものがある人を、僕は本気でうらやましいと思っています。

まとめ

一般的に揶揄(やゆ)されがちな「自分探し」ですが、一貫した思いがあって、本当に本気でやっている小林さんは、めちゃくちゃ格好いいなと思いましたし、面白いことに、お話を聞きながら「うらやましい」と思う自分がいました。
でも当人は、自分に対する自己肯定感がものすごく低いし(笑)世の中不思議です。

そういえば小林さん、休学期間に入ってすぐ東南アジア巡りをしていたそうなのですが、そこら辺の話はすっかり聞き損ねてしまいました。
気になる皆さんは、本当に1日5円と交通費だけで、彼に直接会って話を聞くことができますので、ぜひご検討ください。

小林さん、ありがとうございました!

■小林さんのことをより深く知りたい方はこちら

Twitter:https://twitter.com/axluvof1
note:https://note.mu/kobataku0212

 

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書いた人:しごとの道しるべ 編集部
あなたの「明日」が変わる就活マガジン「しごとの道しるべ」のコンテンツ制作チーム。就活コラムやインタビュー記事など、さまざまな「しごとの道しるべ」をお届けします。

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