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2020年04月01日
みなさんこんにちは。しごとの道しるべ編集部のシンディです。
今回は、11月17日(土)、18日(日)に開催された、墨田区の町工場のお祭り、「すみだファクトリー巡り」略して【スミファ】というイベントに参加したレポートをお届けします。
(公式HPはこちらから)
墨田区と言えば、両国国技館、東京スカイツリーといったイメージですが、実は、江戸時代から続く日本有数の「ものづくりの街」。それも、いわゆる町工場と呼ばれる、人の温度と、地域とのつながりを持つ、小規模の工場がたくさんある街です。
その、墨田区内の町工場の数々を一気に見学できるのが、このスミファというイベントです。
私は今回このイベントに初参戦でしたが、初めに言いましょう、特に今年参加されなかったみなさん、
〈〈〈〈 来年はぜひ行ってください! 〉〉〉〉
というくらい、本当にドキドキわくわく、時々しみじみ感じてしまうような素晴らしいイベントでした。
何がそんなに良かったのか、さっそくご紹介します!
今回最初に訪問したところは、大正6年創業、昭和26年から墨田区で操業を続けている岩澤硝子さん。東京都指定伝統工芸品「江戸硝子」の窯元を見学します。
この日案内をしてくれたのは代表の岩澤さん。
見学に先立ち、「館内はとても「熱い」ものが随所にあるので、僕が「触っていい」と言ったもの以外は、決して触らないでください。下手すると、体にくっついてとれなってしまうので。」との注意。この時点でもう少し心臓がバクバクしてきます。
そして、いよいよ工場入場。
まず目に入る、イカつい窯と火。
そして、突然火の中に手を入れる岩澤さん!!!
軍手が、一瞬にして焦げた
「こうしないと、みなさんなかなか「熱い」ってわかってくれないんです」と、岩澤さんは笑いながら軍手についた火を払っていました。わかります、手を入れなくてもわかります、熱いの。びっくりしました。びっくりしすぎてこの間写真撮るのを忘れていました。ちなみにこの日の火の温度は1334度。これでもいつもより低いそうです。
実はこの窯、建物の1階に熱源と土台が、2階(あとで登場します)、職人さんが作業をするスペースに、るつぼ(ガラスを溶かす容器)を格納している、とても大きなもの。一つの熱源で、10列のるつぼを加熱しています。
熱源を止めると、窯全体が収縮して壊れてしまうため、なんと1年365日、いっさい火を消せないんだとか。社員旅行も、全員で一緒には行けないのだそうです(泣)
ちなみに窯は、向島消防署と東京ガスとの連携を以て、管理も徹底。防災も、重要な業務の一つです。
次に案内していただいたのが2階、作業スペースです。
か、かっこいい…!
デ〇ズニーランドで、こういう雰囲気のアトラクションあるよね!?それぐらいのわくわく感です。それにここでオレンジになっているのは、マジの火、あるいは溶けたガラスです。近い!
工場の2階部分では、20~25名の職人さんが、4~6人のチームでの流れ作業を行っているそう。
工程としては、
① るつぼから、巻き球と言われる、長い棒に球体が付いたもので適量のガラスを巻き上げる。
② ①のガラスを金型に流し込む、または適当な形にまとめ置く。
③ プレス・スピン・圧迫・延ばしなどの技法を用いながら、成形していく
という感じでしょうか。
「その日その日で窯の火の温度も違うし、外気にどれくらい触れているか、あるいは季節によっても硝子の堅さは変わります。結局、毎度、1個1個感覚による微調整が必要なんです。パッパッとやっているように見えて、実は随所にスキルがあって初めてできる仕事なんですよ。」
私ならあんな熱いものがこんな近くにあるだけで、緊張して変な汗が出そうなところ。職人の皆さんは非常に冷静に、繊細に作業されているように見えました。
その後は作業場を離れ、製品を2時間かけて冷やすためのベルトコンベア、金型置き場、製品の調整をしている作業場、検品所などを見学させていただき、この日の見学は終了。
「金型は、まずは図面を基に作成しますが、職人の感覚による微調整も多々行います。だから高価で、一つ10万円から、モノによってはセットで150万円するものもあります。」
「同じ醤油差しでも個体差があるため、蓋とのかみ合わせの部分は、都度感覚ですり合わせを行います。」
「感覚」という言葉の連続。感覚を養うのは幾多の経験で、経験の積み重ねはそのまま時間の積み重ねを意味します。
どれだけの人のどれだけの時間が、この一つの醤油差しを作るのだろうと思いながら、すごくドキドキくらくら、しみじみしてしまう1時間でした。岩澤硝子さん、大変ありがとうございました!
もう1件、お伺いしたのが、岩澤硝子さんから徒歩5分、昭和25年創業のプレス加工メーカー、ヨシズミプレスさんです。新設して6年目のこの工場は、自動プレス機34台を抱え、有名なボールペンのクリップパーツを月に50万個も作ったり、1枚のステンレス鋼を小さく折りたたんだ、重さわずか1グラムのクリップを製造したりできるようです。すごい!
工場に入るなり、大きな機械の数々。案内してくれたのは、石川さんです。
「皆さんが思うプレス加工と言えば、モノをセットして、手動でガチャンとして、取り出して、みたいなイメージだと思います。自動車の車体など、大きなものは今でもそのように作りますが、ここで行っているのは、いくつもの工程を1つの金型の中で行う順送プレスと呼ばれるものです。」
そう言いながら、1台の機械に対し、ここで切り出して、ここで折り曲げて…などの説明を丁寧にしてくれました。
短期で、精度の高い製品を作るために、ヨシズミプレスさんでは素材の調整、工程の研究、プレス機の自製、製品の量産まで、一貫して行っています。
「鉄は柔らかく、機械の刃持ちはいいが、耐久性が低い。鋼は垂直方向の力には強いが、ナナメに力には弱い…など、素材は作る製品によって選択が必要です。またきっちりと寸法を出す(=正確な寸法の製品を作る)ために、金属の板に小さな穴をあけ、プレスの刃通りを良くする工夫をすることもあります。製品を、いかに早く納品できるかが勝負の業界で、研究から製作まで自分たちでやれるというのは、一つの強みなんですよ。」
めくるめく技術と知識。一つ一つのお話に、都度わくわくします。同時に、一般の人にも熱心にお話をしてくださる姿勢に、技術に対する情熱を感じます。
最後に、業界のこれからについて、こんな話をしてくださいました。
「いかに、実直に、こつこつとスキルを磨いていくか。これがカギです。スキルを高めれば、他社が削り出しで作っている製品を、うちはプレスで、もっと早く、少ない材料で作れるようになる、他の会社では作れないものを作って、それをお客さんに売り込んでいくこともできる。文房具など、現在たくさんの受注をいただいているものもあるけれど、そこに甘んじていてはいけません。」
本当は併せて業界のもっと奥深いお金の話などもお伺いしたのですが、ここでは割愛(笑)職人さんのリアルで深いお話を聞き放題なのも、このイベントの醍醐味と感じました。ヨシズミプレスさん、ありがとうございました!
プレス機を動かす体験もさせてもらいました!
…という感じで、いかがだったでしょうか。スミファの魅力、伝わりましたか。
ここに来ると、「こんなすごい技術の数々が、どうか継承されて、絶対に無くならないでほしい」という思いと、「こんなすごい技術をもった職人さんや企業さんが、それでもそこに胡坐(あぐら)をかくことなく、次・次の展開を考え続けているんだ。すごいなあ」という感情が、なぜか猛烈に湧き出てきたのでした。
ちなみに余談ですが、スミファに参加すると、様々な景品がもらえます。結構嬉しいです。
帰ってきて眺めていると、今日の思い出と、もらったものがリンクしてきて、再度しみじみ、「ここに込められた人の汗と努力を、まさしく『体感』できる、素敵なイベントだったなあ」と思うのでした。
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書いた人:しごとの道しるべ 編集部
あなたの「明日」が変わる就活マガジン「しごとの道しるべ」のコンテンツ制作チーム。就活コラムやインタビュー記事など、さまざまな「しごとの道しるべ」をお届けします。
twitter:@4510_michi