【インタビュー】本当は企画営業職!? 大学職員の実態を現役の職員さんに聞きました【前編】

近年、大学生の就職先の人気ランキング上位に「大学」が入るようになりました。確かに、学生と一緒で夏休みが多そう!とか、学生に寄り添った支援ができそう!とか、やりがいがあって、福利厚生が良さそうなイメージはありますよね。でも実際のところはどうなんだろう。今回は、日頃からお世話になっている法政大学の今村さんにご協力いただき、「大学ではどういった仕事があるか」「どういった働き方をしているのか」「どんな人材を求めているのか」など、お話を伺ってきました。

 

法政大学は現在、約3万人の学生の学び舎となっています。キャンパスは、市ケ谷、多摩、小金井と東京都内3か所に分かれています。お伺いした小金井キャンパスは、情報科学部、理工学部、生命科学部の3学部があり、主に理系の学生の学び場となっています。

キャリアセンターを訪ねると、今村さんが笑顔で出迎えてくれました。

法政大学 大学職員

今村さんは、現在、法政大学 小金井キャンパスにて、キャリアセンターの課長という立場で学生の就職活動の支援をしています。

まずは、法政大学で働くことになった経緯からお聞きしました。

知人からの誘いで、大学職員の採用試験を受験

今村さん:実は、私は新卒での入職ではなく、中途入職になります。新卒では銀行に入行しました。そこで8年、その後外資系生保で約2年、それから現在の法政大学です。法政大学で働きはじめたのは、社会人歴11年目の2003年4月からです。

編集部:新卒ではなく、中途での入職だったのですね。大学でこれがしたい!とか、大学をこう変えたい!とか、何か志をもって法政大学を受けたのでしょうか?

今村さん:そんなに立派な志があったわけではないですが、前職の仕事を通じて「教育」というものには強い関心を持っていました。ある日、法政大学に転職していた銀行時代の同期に呼び出されて『ちょうど今、経験者採用の募集をしているから、ダメもとで受けてみなよ。』と勧められました。以前から、彼の口から大学で働くことのやりがいや面白みについて聞かされていたので、唐突な勧めではありましたが受験することについてそれほど迷いはなかったですね。

編集部:そこまで言われたら、受けてみようと思いますよね。

今村さん:募集要項には経験業務として、IT関係、国際関係、財務・銀行とあり応募資格は満たしていたので、何とか申し込み期限に間に合わせました。ただ、選考では筆記試験と面接を3回受けましたが、手ごたえは全くありませんでしたね。

編集部:そうなんですか?

今村さん:なんせ、きっかけが、人に誘われて試験を受けたので、志望動機がうまくPRできなかったと思います。しかし、自分なりに『教育に携わる仕事がしたい』という想いはあったので、そこに関しては自分の言葉でしっかりと伝えることはできたのかなと。そしたら、運が良かったのか、合格しました。(笑)

編集部:今の就活生に伝えたいですね。志望動機には正解はないし、自分の想いやその組織に入って何を成しえたいのかというものが、しっかり伝わればおのずと結果がついてくると。入職後は、財務からのスタートですよね。銀行、生保と金融系の民間企業から大学に移って、何かギャップはありましたか?

意外に多い異動。16年間で5つの部門

今村さん:そうですね。最初は経理部に配属になりました。中途採用の場合、銀行員だったのだから、経理業務は大丈夫だろうという認識がありましたが、大学は全く違いました。

編集部:何が違ったんでしょう?

今村さん:シンプルに言うと、銀行の場合は、決算書を読んで、企業に融資をする仕事です。大学の経理業務は、中長期プランを策定し、予算書や決算書の作成を行います。銀行員時代は簿記の資格を取らなきゃと強く考えることはなかったですが、大学の経理業務を熟すうえでは簿記の資格を持っていないとしんどいです。逆に銀行での知識があったことで、学校法人会計になじめず、最初はかなり苦労しました。ひょっとしたら、全く知識がなくゼロから勉強した方が良いのではないかと思うときもありました。

転職 大学職員

編集部:経理部ではどれくらいの期間、働かれていたのでしょうか?

今村さん:経理部には、4年半いました。その後は教員の研究費取得をサポートする研究開発センターに1年半。総務部に6年半。その後、経理部に戻り1年。そして、今のキャリアセンターになってもうすぐ4年が経とうとしています。総務部からは管理職という立場で働かせてもらっています。

編集部:約16年で、延べ5つの部門ですか?勝手なイメージですが、大学はあまり異動がないように思っていたのですが、違うのですね。思ったより異動が多いなと。

今村さん:他大学の知り合いには、10年、20年と同じ部門で働いている方もいるので、ひょっとするとそうかもしれませんが、本学は違います。例えば私の場合は財務分野の人材として中途採用に応募して入職したわけですが、財務の専門職としての採用ではないので、最初こそ経理部に配属になりましたけど、一定期間後は他の職員と同じように定期的に異動しています。

学生と接することは意外に少ない?トラブル対応のスペシャリスト

編集部:意外に異動はあるんですね。いろいろな部門を経験されて、現在はキャリアセンターで働かれていますが、主にどういった業務を行っているのでしょうか?

今村さん:イメージとして、日々学生の就職相談を行っていると思われる方が多いのですが、私は違います。特に現在の私のポジションだと、学生からの日常的な相談を受ける機会はそう多くはなくて、学生と接する時というのは何かしらのトラブルが発生した場合が殆どなんです・・・

編集部:え?キャリアセンターなのに、学生と接するのは、トラブルの時だけなのですか?

今村さん:そうなんです。部下たちと立場も異なり、トラブルがあった場合は、その状況をしっかりと把握して、時には、学生への厳しい指導や説教をすることもあります。

編集部:キャリアセンターの仕事のイメージは、学生に感謝されるものと思ってましたが、立場の違いで業務内容が異なると、少し寂しいですね。

今村さん:直接学生と接する部門としては、私もキャリアセンターが初めてですし、仕事の内容的に学生の役に立てるというイメージを持っていましたから、「内定もらえました!ありがとうございました!」みたいな報告してもらえるような立場も経験したかったなと・・・

編集部:そうですよね・・・


 

本日はここまでとなります!

中編は、職員と学生間にあるトラブルとは?
今村さんが3,000枚の名刺を持つ理由をうかがっていきます。

 

 

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書いた人:しごとの道しるべ 編集部
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